クライヌリッシュは、昔から銘酒とされ、スペイサイドのグレンリベットと比較されてきた。
なめらかで、全体にスパイシー、ドライなのが特徴。食前・食後を問わないすぐれたオールラウンダーで、知る人ぞ知る通好みの一本です。
分類 | スコッチウイスキー |
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タイプ | シングルモルト |
生産国 | イギリス |
生産者名 | クライヌリッシュ蒸留所 |
地方 | スコットランド |
地区 | ハイランド |
村 | ブローラ |
主原料 | 大麦 |
クライヌリッシュの歴史
クライヌリッシュという土地に最初に建てられた蒸留所は、肥沃なサザーランドの沿岸地帯で農業を始めた農家の人々の穀物の販売先として建てられたものでした。
しかし、この周辺では違法蒸留所が横行しており、その問題を解決しようとサザーランド公爵は自ら蒸留所を建設する事を決めます。
こうして1819年にサザーランド公爵によって建てられた蒸留所は、違法蒸留所への穀物供給を止める事を目的としていたため、たった750ポンドという安い費用で建設されました。
農家の人々は自分の作った穀物をサザーランド公爵が建てた蒸留所へ販売するようになり、クライヌリッシュ蒸留所が誕生します。
当時のクライヌリッシュは馴染みの個人客にしか販売されておらず、商売用の買い付けを拒んできました。
しかし、1931年に不況により、クライヌリッシュ蒸留所は閉鎖となってしまい、1938年に蒸留が再開されますが、第二次世界大戦の影響により、大麦の供給が止まった事が原因で蒸留所は再び閉鎖となってしまいます。
そんな中、1960年にクライヌリッシュ蒸留所の設備が近代化され、隣の敷地にクライヌリッシュ蒸留所とまったく同じ設計で新しい蒸留所が建てられました。
新しい蒸留所をクライヌリッシュ蒸留所として、元からある蒸留所をブローラ蒸留所として操業が開始され、買い付け業者にも販売するようになりました。
しかし、ブローラ蒸留所はクライヌリッシュ蒸留所とは全く異なるキャラクターのウィングルモルトを造りだしてきましたが、1983年に操業停止となり、現在も休眠状態が続いています。
クライヌリッシュについて
クライヌリッシュは数々のブレンテッド・ウィスキーの原酒としても知られ、その中でも有名なのがジョニー・ウォーカーの金ラベルの原酒という事です。
1819年からスコッチウィスキーを造り続けているクライヌリッシュは、専門家からも常に高い評価を受けており、ビクトリア朝時代の偉大な著者でもあるジョージ・セインツベリー教授が一番好んでいたという話はとても有名です。
クライヌリッシュの原料となる大麦は創業当時から変わらず、北ハイランドで製麦されたものを使用し、水もクラインミルトン川から蒸留所までパイプで運ばれています。
そしてクライヌリッシュの原酒は最低でも14年間、オークカスクの中で熟成され、マスタードのようなフレッシュさを持ち、海の味を感じる事ができる個性の強いスコッチウィスキーを生み出しています。