グレンファークラスは、ゲール語で「緑の草の生い茂る谷間」を意味します。1836年創業の今では数少なくなった家族経営による蒸留所の一つです。ピートによるスモーキーフレーバーをしっかりと備え、さらにシェリー樽で熟成させるため香味に自信があるモルトウィスキー。
分類 | スコッチウイスキー |
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タイプ | シングルモルト |
生産国 | イギリス |
生産者名 | グレンファークラス蒸留所 |
地区 | スペイサイド |
村 | バンフシャー |
主原料 | 大麦 |
グレンファークラスについて
グレンファークラスは大手企業の資本を受けていない独立経営の蒸留所として知られ、1836年に創業しました。
ラベル付ボトルで登場した最初のシングルモルトウィスキーで、当時生産されていたウィスキーの大部分は小売業者と独立系ボトラーズに販売されていました。
これは現在、他の小売業者や独立系ボトラーズに販売していないグレンファークラスでは考えられない事ですが、スコッチウィスキーとして銘柄が売れない以上は、名を残すためには仕方のなかったことなのかもしれません。
その後、全ての商品に「グレンファークラス」の名を付けて、最低10年から40年熟成のものや、ヴィンテージ表記の「ファミリーカスク」シリーズなど様々な種類のグレンファークラスを発表していきました。
これらのラインナップは「グレンファー・マジック」と呼ばれ、多くの愛飲家たちから支持されるまでとなり、現在では世界中で飲まれているスコッチウィスキーとなりました。
グレンファークラスのスコッチ
グレンファークラスでは、蒸留所の後ろにはヒースに覆われ、冬には白い雪に染まり、荘厳なたたずまいを見せる標高814メートルのベンリネスの山々があり、その山の雪解け水を使ってウィスキー造りを行っています。
ちなみにこの地域に湧き出る水はウィスキー造りに最適で、スコットランドにある蒸留所の半分以上がこの土地周辺に位置しています。
このようにグレンファークラスでは近隣の蒸留所と同じ水を使用しているわけですが、シェリー樽とホワイトオーク樽を混合で使用する事によって他との差別化を図っています。
これは創業当時から直火焚き蒸留と熟成にシェリー樽を用い、単一の蒸留所でのみモルトを使用するシングルモルトウィスキーにこだわっていた事が大きく関係しており、独立経営の蒸留所だからこそ、利益を追求しない、独自のウィスキーを生みだす事ができるのです。
現在、グレンファークラスでは、10年、12年、15年、17年、21年、25年、30年、40年、そして105と多くの種類のボトルが発売されています。
この他にも20世紀への変わり目に「ザ・スコティッシュ・クラシック」と命名された、スコットランド人アーティスト数人のグループがスコットランド文学から着想を得て作成した美しい細密画作品のシリーズがあります。
この「ザ・スコティッシュ・クラシック」には30種類のラベルがあり、コレクターズアイテムとしても高い人気を呼びました。