貴腐ワインの最高峰と言われているシャトー・ディケムの次に評価が高いとされているのがシャトー・クリマンです。蜂蜜やカラメルの香ばしい香りにバニラの甘さ、そこにほろ苦さが絶妙なバランスで絡み合います。口に入れた瞬間にとろけるような甘さが広がり祝福の一時を感じられる事でしょう。
メーカー・ ブランド |
シャトー・クリマン |
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分類 | ワイン |
ブドウ品種 | 白ワイン |
生産国 | フランス |
生産者名 | ベレニス・リュルトン |
シャトー・クリマンについて
シャトー・クリマンは、ソーテルヌ地方バルザックの第1級格付けであるシャトー・クリマンで造られる甘口の貴腐ワインで、ソーテルヌ地方で最も有名なシャトー・ディケムに次ぐ位置にあります。
ソーテルヌの格付けはシャトー・ディケムを特別第1級として頂点に置き、それに続いて第1級格付けが11ヶ所認定されており、その中の一つがシャトー・クリマンです。
29haのブドウ畑と質素な一階建てのシャトーの建物は、小さなラ・ピネッセ村のすぐ北の海抜21mにあるバルサック一高い丘にあり、この高さが畑の優れた排水に一役買い、雨季には下の方のシャトーより断然有利となり、良質のブドウを育てる事ができます。
また、シャトー・クリマンは世界でも類を見ない石灰質のテロワールによって強烈な個性が生まれ、その土壌と愛称の良いセミヨンが用いられているため、複雑なアロマと格別なフレッシュさを持ったワインが造られています。
ちなみにセカンドワインはシプレ・ド・クリマンといい、こちらもワイン愛好家から高い人気を得ています。
シャトー・クリマンの歴史
シャトー・クリマンは現在、リュルトン家が所有していますが、それ以前は様々な所有者の手に渡ってきました。
19世紀の大半はラコスト家が所有しており、シャトー・クリマン・ラコストという名のワインが年間6000ケースも造られていました。
これは現在、約3000ケースしか造られていないシャトー・クリマンと比べると当時は倍の量が造られていた事になり、この事からも現在は量より質を選んでいる事が分かります。
なぜ、シャトー・クリマンの年間の生産量が昔より少なくなったのかというと、19世紀末にフィロキセラのすさまじい害でボルドーのブドウ畑のほとんどがやられ、シャトー・クリマンも被害を受けた事をきっかけに、ラコスト家からアルフレッド・リベ、アンリ・グヌイユーと次々と人の手に渡り、リュルトン家が所有者となった事でシャトー・クリマンの改革が行われました。
それは、砂利と赤砂、粘土のようなブドウ畑の土壌に植えられた少量のミュスカデルを取り除き、セミヨンの比率を大きくし、テロワールに合ったブドウの栽培を行う事や、優れた果実のみを選んでいるため、必然と生産量が少なくなったのです。
現在、シャトー・クリマンの畑はセミヨン100%の畑となり、更なる品質向上が続けられています。