シャトー・ベイシュヴェルの城は、ボルドーで最も美しくメドックのヴェルサイユと称されていて、このシャトーで作られたワインは、濃く深い紫の色合いにブラックチェリーなどの香り、果実味や渋みが何層にも重なった奥深い味わいとなっています。
メーカー・ ブランド |
シャトー・ベイシュヴェル |
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分類 | ワイン |
ブドウ品種 | 赤ワイン |
生産国 | フランス |
生産者名 | グラン・ミレジム・ド・フランス社 |
シャトー・ベイシュヴェルについて
シャトー・ベイシュヴェルはサン・ジュリアン村にあるメドック格付け第4級のワインで、メルロの比率を高く設定し、早くから飲める親しみやすいスタイルを目指しているため、いつ飲んでも美味しいと高い評価を受けています。
シャトー・ベイシュヴェルは、グラン・ミレジム・ド・フランス(GMF)というフランスの保険会社と日本のサントリーが共同出資して立ち上げたGMFサントリーが運営しています。
シャトー・ベイシュヴェルの所有面積は250haあり、そのうちの70haでブドウの栽培を行っているため、年間生産量は約26万5千本となっています。
平均樹齢は25年で、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドなどを減農薬法で栽培し、これらを上手くブレンドしているため、長期熟成にも耐えられ、早いうちから美味しく飲む事ができるワインを生み出しています。
セカンドワインはアミラル・ド・ベイシュヴェルといい、年間生産量が19万8千本となっており、この本数からも広大な畑面積を持つ事が分かります。
シャトー・ベイシュヴェルの歴史
シャトー・ベイシュヴェルの歴史は14世紀頃まで遡り、シャトー・ベイシュヴェルと名乗るようになったのは16世紀になってからでした。
当時の所有者であったエペルノン公爵はフランスの海軍提督で、ジロンド川に面したこのシャトーを通る際に、そこを行きかう帆船はエペルノン公爵に敬意を表すために、帆を下げて通っていたと言われています。
その際に「帆を下げよ」と言う意味を持つガスコーニュ語「バイス・ボワル」という言葉がなまり、ベイシュヴェルとなったと言われています。
しかし、実際エペルノン公爵はこのシャトーには住んでおらず、また、海軍提督となったのが1587年である事と、1500年代初頭の土地記録簿に「ベイシュヴル」という地名があった事からこの説は後に創作されたものとも言われています。
その理由としては、当時のワインの輸出に際しては、この地で税金を支払う必要があり、帆船は帆を下げて停泊していたため、この事に脚色したと考えられるからです。
そのため、シャトー・ベイシュヴェルという名の本当の由来は、ガスコーニュ語の「beychet(船)」と「velo(帆走)」という言葉が由来という説が有力とされ、エチケット(ラベル)には前進する帆船が描かれています。
そんなシャトー・ベイシュヴェルで本格的にワイン造りが行われるようになったのは17世紀中頃からで、ブラシエ侯爵が所有していた時代に頭角を現しました。
この時、ブラシエ侯爵は中世に建てられた城を取り壊し、その石材を使ってシャトーを建築し直した事から、シャトー・ベイシュヴェルはボルドーで最も美しいシャトーを手に入れました。
しかし、2代目の頃にフランス革命が起こり、追放されてしまったため、その名声が下がり、パリの銀行家アルマン・アインが所有してからその名声を取戻しました。
その後、アルマン・アインの孫がこの世を去ると現在の所有者であるグラン・ミレジム・ド・フランスの手に渡り、土地には羊を放牧し、その糞などを堆肥として畑に使うなど、人と環境に優しい農法を用いてワイン造りを行っています。