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シャトー・ラグランジュ

Chateau Lagrange
シャトー・ラグランジュ

17世紀頃から誕生していたシャトー・ラグランジュは、1855年以降経済の悪化により生産者がコロコロ変わり品質が落ちていきましたが、1983年にサントリーが畑を取得後、様々な改革を行った事で現在の地位までのぼりつめました。

しっかりとした渋みに深い果実味が印象的な味わいで、今注目を集めているワインとなります。

メーカー・
ブランド
シャトー・ラグランジュ
分類 ワイン
ブドウ品種 赤ワイン
生産国 フランス

シャトー・ラグランジュについて

シャトー・ラグランジュはサン・ジュリアン村に位置するメドック格付け第3級のシャトーで生み出されるワインです。
作付面積は117haと広く、セカンドワインのレ・フィエフ・ド・ラグランジュも造っています。
現在、シャトー・ラグランジュは日本のサントリーが所有しており、アジア諸国が初めてこのクラスのシャトーを買収する事がフランス政府から許された事は、当時とても話題となりました。
畑は沖積層の砂礫質土壌で、表土は珪土・砂利質、その下は粘土・石灰岩質という土壌を持っており、畑の間には草を生やして余計な水分を自然の力を利用して減らす、自然と共生を目指したワイン造りを行っています。


シャトー・ラグランジュの歴史

シャトー・ラグランジュの存在は17世紀頃のワイン地図に記載されているほど古く、かつてはサン・ジュリアンのテンプル騎士団の荘園の一部だった事が記録に残されています。
14世紀はじめにテンプル騎士団の崩壊によってその土地はポイヤックとラグランジュの領主達の手に渡りました。
こうして、シャトー・ラグランジュの基礎をデュシャテル伯爵が築き、今も残る壮大な塔(シャトー)を築きました。
その後、ラグランジュ・モンテイユ家の手に渡り、シャトーの名称の由来とされています。
しかし、その後も複数の所有者の手に渡り、1842年の所有者であったデュシャテル伯爵は、排水設備を整え、ブドウ畑の土の中に素焼きの土管を埋めて水はけを良くしました。
こういった努力が実り、1855年のメドック格付けでは第3級の格付けを得る事ができました。
1925年にシャトーを手にしたセンドーヤ家は大恐慌と戦争によって経済状況が悪化してしまい、シャトーの運営が厳しく、シャトー・ラグランジュの畑は荒廃していき、ワインの名声も落としていきました。
1983年に日本のサントリーが所有者となると、赤字覚悟でシャトーへの資金投資に力を注ぎます。
かつてボルドー大学で醸造研究所長を務めていた醸造学者で、シャトー・マルゴーの再生も成し遂げていたエミール・ペイノー博士の協力を得て、ペイノー博士の門下であるマルセル・デュカスが社長に就任します。
更にペイノー博士のもとで学んだサントリーの鈴田健二が副社長に就任すると、畑、醸造所、シャトーと徹底的に改革が行われ、世界に通用するワインを造り出すようになりました。
また、ワインの品質が向上しただけでなく、静かな庭と白鳥やカモが集う湖がある美しいシャトーを造り上げ、多くの人々が訪れるシャトーとしても有名になりました。
現在、社長、副社長とも別の人物が務めていますが、シャトー・ラグランジュが持つテロワールの限界に挑戦するワイン造りを行っています。

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