インチガワーはスペイサイドにあるインチガワー蒸留所で造られているシングルモルトウイスキーで、インチガワー蒸留所はスペイサイドで唯一海辺にある蒸留所として知られています。
その立地条件のため、スペイサイドとしては異色な個性を持ち、多くの愛飲家たちを虜にしてきました。
1871年にアレクサンダー・ウィルソンによって閉鎖されていたトチニール蒸留所の設備を使用して設立された蒸留所で、この移設には深刻な水不足解消を目的としたものだったとされており、この移設した時にゲール語で「川のそばのヤギの草原」という意味を持つ「インチガワー」に改名しました。
ちなみにトチニール蒸留所はアレクサンダー・ウィルソンの父親ジョン・ウィルソンが設立した蒸留所です。
こうしてインチガワーは1930年に蒸留所が閉鎖されるまでウィルソン家によって造られていましたが、1936年に地元の町議会がオーナーとなり、その2年後には現在の所有者であるアーサー・ベル&サンズの手に渡り、アーサー・ベル&サンズの主力商品であるブレンデッドウイスキーベルの主要モルトとして使われています。
また、ベル以外にもホワイトホースやジョニーウォーカーの原酒としても使用されていて、シングルモルトとしてボトリングされるものは総生産量のわずか1%だと言われています。
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インチガワーはかつて「花と動物」シリーズからオフィシャルボトルが出されていましたが、現在は残念ながら終売となっており、比較的レアなシングルモルトウイスキーの位置づけにあります。
また、オフィシャル以外にも原酒を買取って自ら熟成させてブレンドし、世に流通させているボトラーズのインチガワーも出回っており、現在はボトラーズの方が多く数が出回っているとされています。
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