ヴィンテージまたはビンテージ(vintage)とは、ワインの原料となるブドウ収穫年のことを表します。ヴィンテージは、ラベルには西暦で表記され、その年に収穫されたブドウで造られたワインであることを意味します。 (異なる収穫年のワインをブレンドしたものは、ノン・ヴィンテージと呼ばれます。)
ヴィンテージは、ワインの飲み頃の参考になる収穫年ですが、ワインの原料であるブドウは自然の影響を受ける農作物なので、その年の気温や雨量などの気候条件や、ブドウの出来不出来によって、大きな差が生じてしまいます。
造り手や産地が同じであっても、日照量が少なく、気温の低い年は、糖度が低くなり、収穫期に雨が降った年は、水っぽい味になるといわれています。
同じワインの銘柄でも年によって味が異なるのが現状ですが、この収穫年のことをワインの世界ではヴィンテージと呼び、天候に恵まれた年はグッドヴィンテージ(良年)、グレートヴィンテージ(偉大な年)などと表現します。
ワイン愛好家がワインの出来を見極めるために参考にするのがヴィンテージチャートです。
ヴィンテージチャートは、ブドウを収穫した年がどのような天候で、ブドウの作柄の良し悪しや、ワインの質はどの程度なのかといったことを年ごとに総合的に比較評価したチャート(一覧表)です。
ヴィンテージチャートは、多くのワインを長年味わってきたワイン評論家やテスター達が、その年のワインの出来を判断し、数字や★印で評価し、★の数が多いほど、出来の良い年であることを表します。
一般的に評価の良い年のワインは値段が上がり、低い年は売り上げが伸び悩んだり…と、市場価格とも連動します。 ワイン通によれば、評価の良い年のワインは、長期間熟成して初めておいしくなるものが多く、例えば、今日ワインボトルをあけて飲むなら、20年後が飲み頃という出来の良い年のワインをあけるより、凡庸な年であっても、今ちょうど飲み頃のワインを選ぶほうが懸命であるといわれています。
ヴィンテージは当たり年、はずれ年という言葉で表現されることが多いですが、はずれ年=美味しくないというわけではありません。はずれ年のワインは当たり年のワインと比べて一般には飲み頃が早いといわれています。
ヴィンテージチャートの評価は絶対ではありません。天候が暑い年でも標高の高いブドウ畑は涼しいので、熱波などの影響を受けずに品質の良いブドウが収穫できるといった場合もありますので、ヴィンテージチャートは、あくまで目安として活用するとよいでしょう。