シングルモルトやブレンデッドなど、初心者には、強くて飲みづらいお酒というイメージのあるウイスキーですが、お手頃な値段のウイスキーでも、工夫次第で、そのウイスキーの持つ魅力を引き出すことができるかもしれません。
ここでは、ウイスキー通のすすめる基本的なウイスキーの美味しい飲み方をいくつか紹介します。
本当に美味しいウイスキーの王道的な飲み方は、やはりストレートです。口の中にじんわりと広がるウイスキーの芳香な味わいを愉しみましょう。
ウイスキーの香りをより鮮明にとらえるためには、チューリップ型の小さなテイスティンググラスがおすすめです。
また、薄めのグラスのほうが、厚めのグラスよりもダイレクトに味を受け止めることができるといいます。
ウイスキーをストレートで飲むときは、チェイサー(ウイスキーを飲んだ後に飲む水や炭酸水のこと)を用意して、ときどき口の中をリフレッシュして、ウイスキー本来の味を受け止めるようにしましょう。
アルコール度数のウイスキーをストレートで飲むのはちょっと…という方におすすめの飲み方です。
トワイスアップは、常温の水を加える飲み方で、ウイスキーと水の割合は1対1が基本です。
ウイスキーに氷をいれると香りが飛んでしまいますが、加水すると香りが開いてくるそうです。加水する水は、ウイスキーの仕込み水が一番よいといわれます。また、一般的に硬水よりも軟水のほうがウイスキーには合うといわれています。
ウイスキーに氷をあわせるオン・ザ・ロックのポイントは、氷の大きさです。溶けにくく、ウイスキーが薄まりにくいという理由から、できるだけ大きな氷を使うとよく、また、氷が溶けすぎる前に飲みきれるよう、ウイスキーの量はあまり多く入れすぎないようにします。家で飲むときは、市販のロックアイスを使うのが無難です。
おいしい水割りをつくるコツは温度にあります。まず氷をグラスにたっぷり入れて、ウイスキーを適量注ぎます。それをマドラーで十数回しっかりとかきまぜ、キンキンになるくらいウイスキーを冷やします。
ウイスキー通によれば、このときにウイスキーの温度をしっかりと下げておくことがポイントで、これによりアルコールと水が混ざった瞬間に熱が発生することを防ぐことができます。
つぎに、かき混ぜたときに減った分の氷を補充し、そこによく冷えたミネラルウォーターを入れ、軽くかき混ぜて出来上がりです。香りが個性的なスコッチウイスキーの水割りは、やや硬めのミネラルウォーターで割ると美味しさが引き立ち、よいといわれています。
ウイスキーのソーダ割りであるハイボールは、さわやかな飲み口で、とっつきにくいウイスキーのイメージを身近なものにした飲み方です。
水割りと同様、温度にこだわることで、美味しいハイボールをつくることができます。まずは氷がたっぷり入ったグラスにウイスキーを注ぎ、マドラーで十数回しっかりとかきまぜ、しっかりとウイスキーを冷やし切ります。
水割りと同じように、氷を補充してから冷たいソーダをゆっくりと注ぎます。ソーダを注いだ後は、炭酸が飛ばないように、軽くかき混ぜる程度にします。
ウイスキーとソーダの割合は、好みでよいそうですが、ハイボールに使われることの多い角瓶の場合、ウイスキー:ソーダ=1:3~4がサントリーのおすすめの割合です。 レモンピール(レモンの皮)やレモンスライスで香りづけすると、爽快感がいっそう引き立ちます。
氷をたっぷり入れたグラスにミネラルウォーターを7分目まで入れ、その上にウイスキーをそっと注ぐ、見ためもお洒落な「ウイスキーフロート」、70~80℃のお湯で割ったウイスキーのお湯割りに、レモンスライスや蜂蜜、ジャムなどを入れる寒い冬におすすめの飲み方もあります。また、暑い夏には、ウイスキーのボトルごと冷蔵庫や冷凍庫に凍らせない程度に冷やしておくという飲み方もあります。