ブレンダーの職人技が光るブレンデッドウイスキー。シングルモルト・ウイスキーとの違いを飲み比べるのも楽しみ方のひとつですね。
では、シングルモルトとブレンデッドはどのような違いがあるのでしょうか?
発芽させた大麦を主原料としたものをモルトウイスキーといいますが、シングルモルト・ウイスキーは単一の蒸留所のみで造られたモルトウイスキーをボトリングしたものです。
ボトルの中身が、ひとつの蒸留所から生まれたものであるならば、それはシングルモルト・ウイスキーです。
そのためシングルモルト・ウイスキーは、蒸留所ごとの個性が強いものが多く、同じ銘柄でも熱烈なファンもいれば全く受け付けられない人もいるという、「通好み」のウイスキーといえます。
一方、ブレンデッドウイスキーは、麦芽を原料とするモルトウイスキーと、それ以外の穀物、例えば小麦やトウモロコシなどの穀物を原料とするグレーンウイスキーが、数十種類混ざりあった豊かな味わいのウイスキーです。
様々な蒸留所の複数のシングルモルトにグレーンウイスキーを混ぜ合わせ、ブレンドしたブレンデッドウイスキーですが、その銘柄の味や香りの決め手となるが、ブレンドの専門家であるブレンダーの職人技です。
どのモルトやグレーンをどの程度の割合でブレンドするかを決めるブレンダーは、実際に原酒を味見するのではなく、香りを嗅ぐ(ノージング)だけで配合を決めるといいます。ブレンダーは数十種類のモルト原酒と数種類のグレーン原酒それぞれをノージングして、それぞれの個性をいかしつつ、風味をひとつに結晶させて、より味の調和を図り、ブレンデッドウイスキーを誕生させるのです。
4つのブレンデッドウイスキー
ブレンドのされ方によって差はありますが、ブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーの割合と熟成年数で4タイプに分けられます。
デラックス
グレーンに対して、モルトウイスキーの割合が50%以上。多くはブレンデッド後に15年以上熟成している。
プレミアム
モルトの割合が40~50%。ブレンド後に12年以上熟成している。
セミ・プレミアム
10~12年もののもるとの割合が40%前後。
スタンダード
5~10年もののモルトの割合が30~40%。