度数が高いことで健康を害すると思われがちなウイスキーですが、「酒は百薬の長」という言葉があるように、実は健康に良いことが知られています。
ウイスキーは、飲んで美味しいだけでなく意外な健康効果があるのです。シングルモルト・ウイスキーは、その製造方法によって体によいといわれる様々な効用が解明されています。
蒸留酒の一つであるウイスキーは、大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物を麦芽の酵素で糖化し、発酵させ蒸留したものです。 ウイスキーにはシングルモルト、ブレンデッドウイスキーがありますが、健康ブームの中にあって、現在人気が伸びてきるのが材料が100%大麦麦芽で、単一の蒸留所でつくられたシングルモルトです。
シングルモルトは2回もしくは3回蒸溜が行われますが、この時点で不純物が取り除かれ、樽による熟成によってポリフェノールをはじめとした身体に有効な成分がウイスキーに取り込まれていきます。
もちろん、過剰に摂取すれば身体への悪影響もあり、またアルコール分解酵素の能力にも個人差があるため、個人に応じた適量を飲む程度であれば、下記のような効果も期待できる健康的な飲み物といえます。
ポリフェノールの効果
ポリフェノールはワインではよく知られていますが、実はウイスキーに含まれるポリフェノールには、動脈硬化や脳血栓を防ぐ抗酸化作用に効果があることで注目されています。また、樽熟成のときに得られる樽ポリフェノールの主要物質「エラグ酸」に、網膜症など糖尿病の合併症を引き起こす酵素の働きを阻害する作用があるという研究結果が出ています。
樽での熟成期間が長ければ長いほどエラグ酸の含有量が多くなるといわれています。
通風予防
プリン体が痛風を引き起こす原因になることは、ご存知の方も多いかもしれませんが、ウイスキーはプリン体の含有量が少ないことも特徴の一つです。プリン体が多く含まれているとされるビールと比較すると、およそ450分の1という数値です。
ウイスキーの樽熟成の際に溶出したポリフェノールの働きによって、プリン体から尿酸生成を抑制するだけでなく、尿酸を輩出させる作用もあるといいます。
美白効果
熟成を終えたウイスキーには、メラニン色素の生成を抑制するチロシナーゼの働きを抑制するリオニレシノールという成分が含まれています。 シミなどの原因となるメラニン色素の生成を抑えるということは、美白効果が期待できるお酒といえます。この作用はシングルモルトに最も高い効果が期待できるといわれています。
ダイエット効果
ウイスキーシングル1杯(約30ml)のアルコール量と同じだけのアルコール量を、ビールやワインなどの他のお酒で摂取した場合、ウイスキーのカロリーは他のお酒に比べて約25%低いという数値を示しています。これは、より純度の高いアルコールを精製する蒸溜の過程で、不純物とともに糖分がカットされているためです。シングルモルト・ウイスキーは糖分がほとんどゼロに近いアルコールといえ、ダイエット中に飲むお酒としては最適なのだそうです。
アロマ効果
樽の中で長時間貯蔵・熟成されたウイスキーには、樽材由来の香りと、大麦の成分が混ざりあって溶け込んでおり、森林浴と同等のリラックス効果が得られるといわれています。また、ラットを用いた実験では血液中のストレスホルモンを抑える働きも確認されています。しかも、シングルモルト・ウイスキーに含まれる成分には悪酔いを軽減させる効果もあるそうで、二日酔いになりにくいお酒であるということもできます。