秩父蒸留所の主力銘柄～イチローズモルト

秩父蒸留所の主力銘柄～イチローズモルト

ジャパニーズウイスキーといえば、サントリーやニッカウヰスキーなどの大手が国内の市場のほとんどを占めている中、専業メーカーによる製造で、国際的にも高い評価を受けるウイスキーがあります。

それがベンチャーウイスキー社・秩父蒸留所のイチローズモルトです。

ベンチャーウイスキー社のイチローズモルトは、世界100ヶ国以上で愛読されている専門誌「ウイスキーマガジン」主催のワールド・ウイスキー・アワード(WWA)ジャパニーズモルト特集では最高得点の「ゴールドアワード」に選ばれたウイスキーで、個性豊か、上質な味わいで、日本はもとより海外のウイスキー愛好家を魅了しています。

イチローズモルト誕生までのストーリー

イチローズモルトと聞くと、大リーガーのイチロー選手に由来したネーミングと思われがちですが、実際にはベンチャーウイスキー社の社長・肥土伊知郎氏（あくといちろう）の名前を冠したものです。

肥土伊知郎氏は、埼玉県は羽生にある老舗の酒蔵・東亜酒造の3代目として生まれましたが、父の代に東亜酒造が経営不振に陥ります。そして、他社に譲渡されるという状況になり、営業譲渡先の会社からは、ウイスキーづくりから撤退、期限を決めて設備の撤去、さらには先代が残した約400樽の「ウイスキー原酒を廃棄」という決定がされてしまいます。

これを聞いた肥土伊知郎氏は、先代から受け継いだ原酒を預かってくれる企業を苦心の末に探し出し、福島県の「笹の川酒造」に預かってもらう許可を得ました。 その後、肥土伊知郎氏は、その原酒を元にしたウイスキーの販売を行う会社を立ち上げるべく、独立を決意し、2004年ベンチャーウイスキー社を設立、イチローズモルトというブランドを立ち上げるに至りました。

こうして、先代からの東亜酒造のウイスキー原酒を守り抜くべく誕生したのが、肥土伊知郎のイチローズモルトです。2008年にはウイスキー造りに適した地として選んだ埼玉県の秩父市に秩父蒸留所も完成し、自社でもウイスキーの製造をはじめています。現在、イチローズモルトのほとんどがこの秩父蒸留所から生産されています。

イチローズモルトの特徴

イチローズモルトを生産する秩父蒸留所では、ウイスキーの原材料を発酵させる発酵槽に、一般的なシェリー酒やバーボンの空き樽のほか、日本古来の木材「ミズナラ」を採用しています。ウイスキー造りに独自のこだわりをもつ肥土伊知郎氏は「ミズナラ」の丸太を、自ら北海道に出向いて買い付け、それを樽職人がパンチョン樽に加工し、シングルモルトを貯蔵するという方法をとっています。

ミズナラでの樽で熟成させると、どことなく「お香」を思わせるオリエンタルな香りがするウイスキーとなります。肥土氏はこれを「寺社仏閣の香り」と呼び、このイチローズモルト独特の香りが、世界のウイスキー通の舌をうならせています。

イチローズモルトの主なラインナップ

イチローズモルト＆グレーン

ホワイトラベル 秩父蒸留所でつくられるブレンドに最適なモルト原酒をキーモルトとして、9つの蒸留所のモルト原酒と2つの蒸留所のグレーン原酒を使ったブレンデッドウイスキーです。柑橘系のさわやかな香りで、ライトでフルーティな飲み口で濃い目のハイボールでも楽しめるウイスキーです。

イチローズモルト ダブルディスティラリーズ

秩父蒸留所と肥土伊知郎氏の祖父の代に建てられた羽生蒸留所のモルト原酒を使用しています。スパイシーで繊細な味わいのヴァッテッドモルトウイスキーです。

イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ

ミズナラ樽で熟成された原酒を使用。甘い花のような香りで、オリエンタルな雰囲気漂う味わいのシングルモルトです。

イチローズモルト カードシリーズ

イチローズモルトの中でもトランプカードをラベルに配したカードシリーズは、ファン垂涎のコレクションで、海外の愛飲家にも人気の銘柄です。1シリーズでわずか200～400本という少量限定生産で入手困難なため、カードシリーズの希少銘柄は海外のオークションでも高額取引されています。

イチローズモルト カードシリーズは、羽生蒸留所のシングルモルトをホグスヘッド樽貯蔵の後、最後の数ヶ月間を様々なカスクでフィニッシュしたウイスキーで、経営困難な時代に肥土氏が「笹の川酒造」に預け、守り抜いた原酒も少量ブレンドされています。

カードシリーズのキング オブ ダイヤモンズ（アルコール度数56%）は、イギリスの「ウイスキーマガジン」のジャパニーズモルト特集で最高得点の「ゴールドアワード」に選ばれた逸品です。

また、カードシリーズの中でも人気とされているのが、「エース・オブ・クラブ」「キング・オブ・クラブ」「クイーン・オブ・スペーズ」「テン・オブ・ダイアモンズ」「エース・オブ・ダイアモンズ」「ジョーカー・カラー」「ジョーカー・モノクローム」といわれており、特に最後のカードである「ジョーカー」は、羽生蒸留所仕込みの樽の最後を意味する貴重な限定生産品で、イチローズモルト・コレクター垂涎の品となっています。

その他のイチローズモルト

イチローズモルト　モルト&グレーン プレミアム ブラックラベル

イチローズモルト　ワインウッドリザーブ

イチローズモルト MWR リーフラベル

イチローズモルト 秩父オンザウェイ

イチローズモルト秩父　CHIBIDARU（ちびだる）

イチローズモルト秩父ザ・フロアーモルテッド

イチローズモルト 秩父ザ・ピーテッド

イチローズモルト 秩父ザ・ファースト

イチローズモルト23年　カスクストレングスなど