ワインを楽しむ極意は、ワインの個性の違いを知ることといわれます。「同じものは二つとない」といわれるほど、ワインはそれぞれに個性があり、それがワインの楽しさにもつながります。
ワインの味わいを表現するときには、一般的に果実や花にたとえられることが多いですが、”腐葉土の匂い”や、”なめし皮の香り”など、強烈な印象のある言葉が用いられることもあり、それが「ワインは、ややこしい」というイメージが持たれる所以ともなっています。
しかし、ワインのプロによれば、ワインの個性を決める要素は「ブドウの品種」「生産地」「ヴィンテージ」「造り手」..この4つしかありません。この4つのポイントをおさえれば、個性あるワインの違いを知ることができるのです。
ワインの個性を決めるベースとなるものは、なんといってもブドウの品種にあります。しかし、同じ品種でも、そのブドウが育った土壌が違えば、味も異なります。
日本で最も飲まれているフランスの白ワインには、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、赤ワインには、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなどが用いられます。
フランスワインのラベルには、品種が記載されていないことが多いですが、生産地ごとに栽培される品種は限られているので、生産地から品種を推測するか、購入時にお店の人に確認するとよいでしょう。
フランスなら、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ロワールなど、イタリアなら、ピエモンテ、トスカーナなどの生産地が有名です。生産地により、ワインの味わいが異なります。
安価なワインではない限り、生産地はラベルに記載されているので、飲む前、購入時には確認しておきましょう。
フランスやドイツ、北イタリアなど、気候の変動の激しい地域ほど、天候による影響が大きくなり、収穫した年の天候が味の違いにも大きく現れます。
異なる地域や違う収穫年のワインをブレンドしているテーブルワインなどには、ヴィンテージがラベルには記載されていません。
同じ土地、同じ年に造られたワインでも、造り手の感性や方針によって、味わいに個性が表現されます。
上級ワインには、ラベルに造り手が記載されていますが、特に、ブルゴーニュワインは同じワイン名でも、さまざまな造り手がいるので、ラベルの読み解きにも注意が必要です。
同じブドウの品種、同じ生産地でも、ブドウの育った土壌が違えば、味も異なります。また、収穫年の天候にも、ワインの出来の良し悪しが左右されます。そして、最終的にはワインの味は、ワインの造り手(醸造家)にゆだねられるのです。
自分がおいしいと感じたワインを足掛かりに、この4つのポイントを意識しながら飲み比べていくと、それぞれのワインの個性の違いがつかめるようになり、ワインの楽しみ方も広がっていくことでしょう。
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