シャンパンというと、炭酸の入った発泡性ワイン〜スパークリングワインの総称のように思われがちですが、正確には、フランスのシャンパーニュ地方産のスパークリングワインの固有名称が、シャンパンです。
パリ北東の寒冷地に位置するシャンパーニュ地方では、昔はアルコール度数の低いワインしか造ることができませんでした。そこで、白ワインに砂糖と酵母を加え、 ボトル内で再醗酵させ、その中で発生した炭酸ガスを閉じ込めた発泡酒を開発しました。
この製法は、シャンパーニュ方式またはシャンパン方式と呼ばれています。
このシャンパンの開発者は、シャンパーニュ地方にある修道院の酒蔵係であった修道僧のドン・ペリニヨンです。ドン・ペリニヨンは今ではシャンパンの高級品の代名詞ともなっていますね。
修道僧ドン・ペリニヨンが、ある日、酒蔵を見回っていると、ポーンという音が聞こえてきたといいます。この音は、寒さで醗酵が止まっていたワインが、春になり温度が上がって、ボトルの中で再醗酵し、溜まった炭酸ガスがワインのコルクを吹き飛ばした音だったのです。
ドン・ペリニヨンは、これをヒントに工夫を重ね 、シャンパンを造り上げました。
シャンパーニュ産以外のスパークリングワインには、それぞれ名称があり、製造法もそれぞれ異なります。
フランス
シャンパーニュ地方で、ボトル内2次発酵で造られたワインのみをシャンパン(ガス圧は5~6気圧)といいます。シャンパン方式という表記も、他の発泡性ワインには禁じられています。
以前はシャンパンより低いガス圧のものをさしていましたが、現在はブルゴーニュ、アルザスでシャンパン方式によって造られる発泡酒のことをさすことが多くみられます。
「泡」という意味で、一般的にはシャンパンでもクレマンでもない、手ごろな発泡酒をさしています。
フランス産の2.5気圧以下の弱発泡性ワインの総称です。
イタリア
イタリア産発泡酒の総称です。ロンバルディーアやトレンティーノなどでは、シャンパン方式による高級品も造られています。
イタリア産2.5気圧以下の弱発泡酒の総称です。
ドイツ
タンク内で2次発酵させる「シャルマ方式」によって製造される高級発泡酒で、その多くが辛口です。
ドイツ産の手ごろな発泡酒をさします。
ドイツ産2.5気圧以下の弱発泡酒の総称です。
スペイン
カタルーニャ地方で造られる、シャンパン方式の発泡酒ですが、お値段は手ごろなものが多くみられます。
一般にはカヴァ以外の手ごろな発泡酒をさします。
アメリカ・オーストラリア
炭酸入りのワインはすべて発泡性のワイン・スパークリングワインと呼ばれます。製法やガス圧、生産地域の違いによる名称の違いはありません。
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