ウイスキーの飲み方に決まったルールはありません。お酒によって、好みによって、季節によって、体調によって、好きなように飲み方を選べるのがウイスキーの醍醐味でもあります。
アルコール度の高いウイスキーは一般に食後に飲むイメージがありますが、食前酒や食中酒として楽しむこともできます。香りや味の個性を楽しむシングルモルトは、あまりいじらず、そのまま飲むほうがよいといわれます。ブレンデッドウイスキーは、ストレート、水割り、ロック、ソーダ割りなどいろいろな飲み方ができるのも魅力です。
ウイスキーの基本の飲み方としては、ストレート、オンザロック、水割り、ソーダ割り(ハイボール)の4つがあげられます。
ほどよく注ぐ…小さめのグラスに3分の1程度のウイスキーを注ぎます。なみなみとグラスにウイスキーを注ぐとグラスの上に香りが広がりにくくなります。
チェイサーをつける…大き目のグラスに氷とミネラルウォーターを入れ、ウイスキーで熱くなった舌やのどをリフレッシュさせます。チェイサーは水でなくても、ウーロン茶や牛乳、ビールなどをチェイサーとして飲んでも構いません。
大きい氷を使う…氷は大きい方が溶けにくく、固い氷を使うとよいといわれます。
3口で飲み切れる量を注ぐ…氷が解けるとウイスキーが薄まってしまうので、氷が溶けないうちに飲み切れる程度のウイスキーを注ぎます。また、オンザロックにチェイサーをつけてもよく、チェイサーは必ずしもストレートにつけるものだけという決まりはありません。
氷を入れたグラスに3分の1程度のウイスキーを注ぎ、そのあとミネラルウォーターを注ぎ、軽くマドラーなどでかき混ぜます。
冷やしたミネラルウォーターで割って飲むだけというのも、氷が溶けて薄まる心配がなくてよいでしょう。
水割りでは、ミネラルウォーターにこだわりましょう。ウイスキーを仕込んだ水と同じ位の硬度のミネラルウォーターならウイスキーとの相性は抜群です。
水割りと同様、氷を入れたグラスに3分の1程度のウイスキーを注ぎ、そのあとソーダ水を注ぎます。炭酸が逃げてしまうので、あまり混ぜすぎないようにしましょう。
ソーダ水以外に、ペリエやトニックウォーターでも楽しめます。
ウイスキーを楽しむなら、是非グラスにもこだわりを持ちましょう。ウイスキーのグラス選びにも特にルールはありませんが、選ぶグラスで味が微妙に変化するといわれます。
一般には、ストレートなら、ウイスキーグラス(ショットグラス)、水割りにはタンブラー、オンザロックを飲むなら、背の低いオールドファッションド・グラスがあうといわれます。
シングルモルトをじっくり味わいたいなら、チューリップ型のグラスがおすすめです。グラスのなかにウイスキーの香りが閉じ込められて、香りがより鮮明にわかるようになります。
また、グラスの厚みもウイスキーの味に関係します。薄いグラスの方が、口にあたる感触がソフトで、それだけ口あたりがまろやかになります。また、直径が大きすぎるグラスは、口にあたる部分が広く、いきなり大量のウイスキーが口に入ってしまうので、口にあたる部分が狭ければ狭いほど、おいしく飲めるといわれています。
いつも自分がウイスキーを飲むマイグラスには、ちょっと贅沢なものを使いたいものです。世界に名だたるフランスのバカラや、サン・ルイ、ラリック、ドイツのマイセンクリスタル、日本のカガミクリスタルなど、評判のよいグラスメーカーはたくさんありますので、グラスによる味の違いを比べるのも楽しみのひとつです。
また、スコットランドに本部を置くウイスキー愛好会スコッチ・モルト・ソサエティのグラスや、ワインで有名なリーデル社のシングルモルトウイスキーというクリスタルグラスなどもおすすめです。