ワインは料理と一緒に楽しむことで、さらに美味しくなるお酒ですが、ワインと料理を上手にあわせることを、フランス語で“結婚”を意味する「マリアージュ」と呼びます。
ワインと料理の組合せ「マリアージュ」のコツは以下の3つといわれています。
【味わいであわせる】
濃い料理には濃いワイン、淡泊な料理には軽いワインをあわせます。また、素材を活かしたシンプルな料理には、シンプルな味わいのワイン、手の込んだ料理には、複雑味のあるワインをあわせます。
【産地であわせる】
ワインとその産地の食材や郷土・伝統料理など、同じ風土で育ったもの同士を組合せます。フランス料理にはフランス産のワインが合うといったように、産地はマリアージュの大きな決め手となります。家庭で気軽に楽しむなら、同じ地方でつくられたワインとチーズの組合せが、楽しく取り入れやすいでしょう。
【品格であわせる】
ロマネコンティなど格の高いワインには、フォアグラなどの高級食材を使った料理を合わせるなど、ワインと料理の格を合わせるのも、マリアージュのひとつの目安となります。キャビアなどの高級食材を使った料理に、安いワインではバランスが悪くなり、テーブルの上での統一感も失われてしまいます。家庭料理とあわせて日常的に楽しむなら比較的安価なワインで十分楽しめます。
【同系の個性であわせる】
色、香り、濃度、味わいなどワインの個性と、同じ個性を持つ食材やソースを組合せます。
●色
赤ワイン×牛、鴨、仔羊、イベリコ豚などの赤身の肉
赤ワイン×サーモン、マグロなどの赤身の魚
白ワイン×豚、鶏などの白身の肉
白ワイン×ヒラメ、キスなどの白身の魚
●香り
樽の香りの効いたワイン×ナッツやスモークした食材
なめし革など動物系の熟成香があるワイン×クセのある肉類やチーズ
スパイシーな香りのワイン×ハーブやスパイス
腐葉土などの植物系の熟成香のあるワイン×根菜、キノコ類
●味わい
酸味のあるワイン×酸味のある食材やソース
シンプルな味わいのワイン×シンプルな調理法の料理
複雑味わいのワイン×複雑な調理法の料理
その他、軽めのワインに軽めの食材やソース、重めのワインに重めの食材やソース、濃厚なワインに粘性(クリーミーさ)がある食材やソースをあわせるなど、ワインのもつ個性と同系の個性をもつ食材やソースを組合わせます。
【相反する個性であわせる】
全く異なる個性を合わせることで、お互いの個性を補完し合った、新たな味わいが広がります。
酸味×塩味…酸味の強いワインとあわせると、料理の塩味が感じにくくなるといわれます。
甘味×辛味…甘口ワインを辛い料理とあわせることで、甘味を引き立たせます。
酸味×甘味…酸味が甘味を引き立たせたり、強すぎる甘味をすっきりとさせます。
渋味×粘性…ワインの渋みがクリーミーなソースやマヨネーズなどとあわせることで、柔らかい印象になります。
味覚や嗜好は人それぞれです。自分が美味しいと感じるワインと料理の組合せが、自分にとっての最良のマリアージュとなります。