ワインの製造工程は赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワイン、どのワインも基本の工程は同じです。
ワインに共通する基本工程
① 収穫…手摘みと機械での収穫がある。手摘みはぶどうを傷つけにくいといったメリットがあり、機械では短時間で大量に収穫できるというメリットがあります。
② 選果…ぶどうが傷ついていないかなどを確認して、ワインに使えるぶどうを選別します。
③ 除梗…苦味の強いぶどうの茎を取り除き、破砕(実をつぶす)します。
④ 発酵…酵母を使って、ワインをアルコール発酵させます。木製やステンレスの槽で行われます。
⑤ 熟成…高級ワインは樽の中で、じっくりと成分を落ち着かせ、味を向上させます。カジュアルなワインは、ステンレス製のタンクで短期間落ち着かせます。
⑥ ボトリング・瓶熟成…瓶の中にワインを詰めてから、さらに熟成させる場合もあります。
⑦ 出荷(完成)
淡い美しいピンク色が特徴のロゼワインですが、その造り方は、上記の基本工程【収穫→選果→除梗・破砕】の後、主に3つの製法に分れます。
ロゼワインのピンク色を出すために、製法によって黒ぶどうと白ぶどうを使い分けています。
黒ぶどうを原料にして、赤ワインと同様の製法でマセラシオンし、薄く色づいたところで果汁のみを発酵させる製法です。セニエ法は、フランスをはじめ、世界で広く取り入れられている代表的なロゼワインの造り方です。
セニエ法では、収穫・選果し、除梗・破砕した黒ぶどうを圧搾し、得られた果汁を果皮、種子と一緒に漬け込みます。これは色と香りを抽出するマセラシオンという工程で、赤ワインを造るときにも行われます。
発酵の初期段階で、果汁が薄く色づいたところで、果汁のみを別のタンクに移して発酵させます。この製法で造られるワインをロゼ・ド・セニエまたは、ロゼ・ド・パーセニエといいます。
黒ぶどうと白ぶどうを混ぜて発酵させる製法で、白ワインに近い醸造方法で造られます。
混醸法のロゼワインは、基本工程①②の、発酵前の黒ぶどうと白ぶどう両方を混ぜて仕込みます。
黒ぶどうと白ぶどうを区別せず、除梗・破砕し、圧搾します。このとき得られる果汁は、ピンク色で、この色づいた果汁を低温発酵させることで、ロゼワインとなります。
この混醸法は、ドイツではロートリングとよばれ、ロゼワイン造りの主流となっている醸造方法です。
日本では、白ぶどうの甲州種と、黒ぶどうのマスカットベリーA種やブラッククイーン種を混醸して造られたロゼワインがあります。
白ワインの醸造工程を赤ワイン用のぶどうで造る製法です。黒ぶどうを除梗・破砕した後、直接圧搾機にかけ、果汁と果皮、種子を分離させます。
ぶどうの品種により差異はありますが、ほんのり色づくよう、果汁を強めに搾り取ります。 その果汁をアルコール発酵させ、白ワインと同様に濁りなどを取り除きます。
直接圧搾法は、果皮や種子との接触時間がほとんどないので、色が薄く、渋みがほとんどない、爽やかなロゼワインができます。フランスのロワール地方のロゼ・ダンジェはこの製法で造られた代表的なロゼワインです。
ロゼワインに使われるぶどうは?
フランス:
プロヴァンス地方~グルナッシュ、シラー、サンソー
ロワール地方:グロロー、カベルネ・フラン
イタリア:ロザート、キャレット
ドイツ:ピノ・グリ+ピノ・ノワール(混醸法)
アメリカ:ホワイト・ジンファンデル
南米:シラー、マルベック 等