今や世界の5大ウイスキーのひとつに数えられるまでに発展したジャパニーズウイスキーの礎を築いたのは、現サントリーの創業者である鳥井信治郎と、現ニッカウヰスキーの創業者の竹鶴政孝といわれています。
かつての日本には、着色料などを混ぜたイミテーションのウイスキーがありましたが、鳥井信治郎は、偽物でない本格的な国産ウイスキー造りに情熱を注ぎました。
サントリーの前身であった壽屋の鳥井信治郎は蒸溜所建設に最適な土地を探し求めて全国をめぐり、京都近郊・山崎に理想の地を見つけました。
その山崎蒸溜所の工場長に就任したのが竹鶴政孝です。竹鶴政孝はスコッチウイスキーの本場スコットランドで技術を学び、帰国すると鳥井信治郎のもとで、スコッチウイスキーを目標として、蒸溜所の設計からウイスキーの製造まですべてを取り仕切りました。
そして1929年に本格的な国産ウイスキー第1号「白札」が誕生しました。後に、竹鶴政孝は独立してニッカウヰスキーを創業しますが、この2人が築き上げたサントリー、ニッカウヰスキーがジャパニーズウイスキーを牽引してきた存在ということができます。
日本の主なウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキー、そしてこの2つを混ぜて造るブレンデッドウイスキーの3種です。
ジャパニーズウイスキーの場合、スコッチウイスキーに比べてピート香が少なく、日本人好みの味わいに調整され、日本独自の繊細な味わいが特徴です。また、日本のブレンデッドウイスキーは、同じ会社内でさまざまなタイプの原酒をつくり、それをブレンドする方式がとられており、また、ミズナラ材の樽で熟成させるのも、日本ならではのものです。
近年では、日本のウイスキー・サントリー山崎12年などが世界大会で金賞を受賞したり、新進気鋭の秩父蒸溜所が稼働し、ベンチャーウイスキー・イチローズモルトが注目されるなど、日本のウイスキーの実力は着々と向上しているといえます。
ジャパニーズウイスキーであるための5つの法律
専門家によるジャパニーズウイスキーの定義は以下の通りです。
1. 原料は、穀類および発芽させた穀類
2. 発芽させた穀類と水を原料として糖化させ、発酵させたアルコール含有物を蒸溜したもの
3. 蒸溜時のアルコール度数は95度未満
4. 添加してよいのは、アルコール、スピリッツ、香味料、色素、水
5. 原料混和率が10%以上であること
山崎、山崎12年、山崎18年、白州、白州12年、白州18年、響、響17年、響12年、サントリー角瓶、トリスハニーなど
余市、余市12年、余市20年、宮城峡、宮城峡10年、宮城峡12年、竹鶴17年ピュアモルト、竹鶴ピュアモルト、ブラックニッカクリア、ニッカカフェグレーンなど
イチローズモルト&グレーンホワイトラベル、イチローズモルトダブルディスティラリー、イチローズモルトミズナラウッドリザーブなど
その他の主なジャパニーズウイスキーの銘柄
富士山麓シングルモルト18年、マルスウイスキー3&7、ホワイトオークシングルモルトあかし、モルテージ駒ヶ岳ピュアモルトウイスキー10年など