シャンパンは、古くから祝い酒としてだけでなく食事の前に飲むお酒”アペリティフ”としても定番です。
口当たりのよさに加え、炭酸が胃を適度に刺激し、食欲を呼び起こす食欲増進効果があるともいわれています。
アペリティフ(食前酒)として、シャンパンは間違いのない選択ですが、意外と知られていないのが、メインの料理とあわせて飲むお酒としてのシャンパンです。シャンパンは料理全般との相性の良いお酒です。
シャンパンの料理の特徴を理解して組合せると、相乗効果によって、いっそう美味しさが楽しめるようになります。
シャンパンとお料理の基本の組合せは、専門家によると、以下のようなワインとの相性と同じように考えるとよいそうです。
○ハーブを使った料理にハーブの風味のワインをあわせるといったように、同じ方向の風味で高めあう相乗関係
○脂質の多い肉料理に渋みの多い赤ワインといった、異なる方向の風味で補う相補関係
シャンパンと料理の組合せも、このようなワインと料理組合せの基本条件に従いますが、炭酸ガスにより料理の風味を洗い流すリフレッシュ効果があるため、より幅広い組合せが可能です。
シャンパンと合うものとしては、スモークサーモンやチーズといったイメージがありますが、シャンパンは、清涼感に富んだ酸味を基調とする風味ですので、魚料理との相性は良く、肉料理でも重過ぎなければあわせられ、さらに和食ともよく合います。
シャンパンは、もともと、発泡白ワインですので、魚料理との相性は抜群です。特に辛口のシャンパンは、カキや刺身、寿司とも相性がぴったりです。
白身魚などのあっさりとした魚介や、薄く味付けしたホタテなども辛口シャンペンとよく合う料理です。
鴨などの鳥肉や、牛肉、豚肉などの肉料理では、ロゼのシャンパンがおすすめです。また、こってりした料理にも、爽やかなキレのいいシャンパンは適しています。
さらに、イチゴなどの果物とも合うシャンパンは、デザート全般との組み合わせにもおすすめです。
シャンパンの生産地シャンパーニュ地方では、前菜・魚料理・肉料理・デザートというコース料理を通して、シャンパンを飲み続けることがしばしばあるそうです。ひとつの銘柄を飲み続けることもできますが、料理にあわせてタイプを替えると、相性も一層引き立ちます。
例えば、前菜にシャンパンロゼ、魚料理に ブラン・ド・ブラン、肉料理に深みのある熟成タイプのシャンペン、デザートには甘口という流れなど、シャンパンだけで通すコース料理もおすすめです。
アペリティフとしてスタートし、オードブルでもメインでも、デザートでも、美味しく飲めるシャンパンは、まさにオールラウンダーといえます。