スパークリングワインの最高峰と称えられるシャンパン。シャンパンを生産するシャンパーニュ地方は、フランス北東部にある内陸の丘陵地で、この地方は寒冷気候に属し、天候による作柄の波を回避するため、シャンパンは、品質や生産地区、収穫年の異なる原酒を混ぜて造るのが一般的となっています。
この技術は、17世紀末、修道院の酒庫係だったドン・ペリニオンによって考案されたといわれています。 シャンパンは原酒を混ぜて造ることから、生産者やそのブランドが品質基準として利用されています。
シャンパンのとしての葡萄の品種は法律上では、8種類の栽培が認められているものの、実際はピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネの3品種にほぼ限られます。
シャンパーニュ地方では、エシュレ・デ・クリュと呼ばれる葡萄の価格決定システムにより、村単位で格付けが行われています。これは、各村に対するパーセンテージによる相対的な格付けとなっており、最高価格を100%とし80%~100%の21段階に、村ごとに取れるぶどうの価格を決定しています。
100%クリュの村がグラン・クリュ、90~99%のクリュの村がプルミエ・クリュという格付けとなっています。
【グラン・クリュ(100%)】
モンターニュ・ド・ランス (Montagne de Reims)地区(村)~アンボネイ、ボーモン・シュール・ヴェール、ブージー、ルーボワ、マイィ、ピュイジュー、シルリ、ヴェルズネー、ヴェルジ
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ (Vallée de la Marne)地区(村)~アイ、トゥール・シュール・マルヌ
コート・デ・ブラン (Côte des Blancs)地区(村)~アヴィズ、シュイィ、クラマン、ル・メニル・シュール・オジェ、オジェ、オイリー
【プルミエ・クリュ(90〜99%)】
モンターニュ・ド・ランス (Montagne de Reims) 地区(村)~ベザンヌ、ビリー・ル・グラン、シャムリー、シニー・レ・ローズ、コルモンリュイユ、クーロム・ラ・モンターニュ、エキュイユ、ジュイ・レ・ランス、レ・メノー、リュード、モンブレ、パルニィ・レ・ランス、リリー・ラ・モンターニュ、サシー、セルミエール、テシー、トシエール・ミュトリー、トレパイユ、トロワ・ピュイ、ヴォードマンジュ、ヴィルドマンジュ、ヴィレール・アルラン、ヴィレール・オ・ヌード、ヴィレール・マルメリ、ヴリニィ
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ (Vallée de la Marne) 地区(村)~アヴネイ・ヴァル・ドール、ビスイユ、シャンピヨン、キュミエール、ディジィ、オーヴィレール、マルイユ・シュール・アイ、ミュティニー、トゥール・シュール・マルヌ、ヴァル・デ・マレー / コリニィ
コート・デ・ブラン (Côte des Blancs) 地区(村)~ベルジェール・レ・ヴェルチュ、シュイィ、キュイ、エトレシー、グローヴ、ピエリィ、ヴェルチュ、ヴィルヌーヴ・ルネヴィル・シェヴィニィ、ヴォワプルー
シャンパンの種類は主に下記の通りに分けられています。
ノン・ヴィンテージ~一般的なシャンパンで、ラベルに収穫年の記載はありません。複数の収穫年の違う葡萄品種、異なる畑のものをブレンドして造られます。このブリュツトは、各メゾンの個性を最もよく表現するものです。
ヴィンテージ~ヴィンテージは毎年つくるわけではなく、特別に優れた作柄の年にのみ造られます。ブレンドはせず、同じ収穫年の原酒だけで造られます。熟成期間は、一般的に3年~5年といわれます。ラベルには年号記載があり、Vintage/ Millesimeといった表記があります。
プレスティージュ~各メゾンの最高級シャンパン。良いヴィンテージのグラン・クリュを基本に最高級の原酒のみが使用され、熟成期間は、5年~7年が一般的です。
ロゼ~黒葡萄を原料に果皮ごと漬けて発酵させてつくられるセニエ方式か、もしくはシャンパーニュ地方産の無発泡赤ワインを加えるブレンド方式によって造られる淡い赤色のようなシャンパン。
ブラン・ド・ブラン~直訳すると「白の中の白」という意味で、白葡萄シャルドネ100%だけで造るシャンパン。
ブラン・ド・ノワール~ピノ・ノワールかピノ・ムニエだけ(もしくは両方)の黒葡萄で造られたシャンパン。