酒精強化ワイン(フォーティファイド・ワイン)は、ワインの醸造工程中にブランデーなどのアルコールを添加したものです。シェリー酒、マディラ、ポート・ワインの世界三大酒精強化ワイン以外にも、下記のような魅力ある品が世界の様々な国で造られています。
天然甘口ワインという意味で、発酵中のワインにブランデーを加え、甘口に仕上げたもので、主に南フランスの地中海沿岸地域で造られる。
熟成期間は通常2~3年で、長いものでは10年以上の品もある。熟成期間が長いほど、なめらかで深い味わいになるといわれる。
チョコレートと共に供されるバニュルスやリヴザルト、ミュスカ・ド・リヴザルトなどがある。
収穫してきたブドウの果汁を、発酵させずにアルコールを添加し、樽や瓶で数年熟成したもの。 主にユニブラン種を用い、コニャックを添加したピニュー・デ・シャラント、シャンパーニュ地方やブルゴーニュ地方のピノ・ノワール種などに、ブランデーを添加したラタフィア、ジュラ地方で造られるマールを添加したマクヴァン・ド・ジュラなどがある。
アンダルシア地方の港町マラガで生み出されるフォーティファイド・ワイン。マラガは、ローマ時代からワイン産地として知られる。栽培品種はペドロ・ヒメネス、モスカテル(マスカット)種などで、大半が白ワインで、甘い立地な味わい。度数は通常18度で、熟成期間は2年以上。
地中海に浮かぶシチリア島のマルサラで、18世紀後半にイギリス人の手によってつくりだされたフォーティファイド・ワイン。シェリー酒に似た製法で造られる。
マルサラは料理の香り付けにも使わるが、良質なマルサラは繊細でエレガントな風味で比類なく、辛口は食前酒として、甘口は食後酒にぴったり。
その他には.....
1970年代までは、造られるワインの70%以上がフォーティファイド・ワインであったというオーストラリアでも、目を見張るような甘口の酒精強化ワインが造られています。
オーストラリアにおいて酒精強化ワインの比類なき一大産地がラザグレンで、多数の上質なワインが世界中で高く評価されています。