今回いわの美術がお買取りしたのは、代々色鍋島を守り続けてきた今泉家の十三代今泉今右衛門が製作した色絵吹墨草花文のキリンビアマグです。
今泉家は、江戸時代より色鍋島の技法を代々受け継いでいる伝統ある家元です。
作られる作品はどれも繊細かつ落ち着いた色合いが特徴で、古き良き日本の家に飾っても派手過ぎず落ち着いた華やかさを演出させてくれます。
今回お買取りしたお品物は、江戸時代から続く今泉家の十二代今泉今右衛門の長男として誕生した十三代今泉今右衛門の作品です。
1926年に生まれた十三代今泉今右衛門は、地元の高校卒業後東京美術学校の工芸家へ進み陶芸の基礎や技術を学びます。
その後、地元へ戻り父親である十二代今泉今右衛門に師事して色鍋島を学び、32歳の頃開かれた佐賀県美術展覧会に出品した作品が最高賞を受賞しました。
この受賞を機に、一水会陶芸展や日本伝統工芸展などの展覧会で様々な賞を受賞し49歳で十三代今泉今右衛門を就任します。
父親の十二代今泉今右衛門が結成した「色鍋島技術保存会」は、彼が亡くなったと同時に国の重要無形文化財総合指定から解除されます。
しかし、十三代今泉今右衛門が「色鍋島今右衛門技術保存会」という名で組織を改組した事から国の重要無形文化財に再認定されました。
十三代今泉今右衛門が作り上げた「色鍋島今右衛門技術保存会」は、現在も会員数を増やし続け、後世の育成などに力を注いでいます。
吹墨とは、十三代今泉今右衛門が得意とする染付技法の1つで、伝統ある色鍋島に現代性を付ける事は出来ないかと考えて使われたそうです。
吹墨が初めて使われたのは初期伊万里が誕生した1610年頃と言われ、中国の明代末期に日本向けに作られた古染付が起源と言われています。
吹墨技法は、染付に使われる呉須と呼ばれる青色の顔料を筆に含ませたり、色が付いてほしくない部分を型紙で覆いその上から噴射器のような道具を使い陶磁器に吹きかけてグラデーションを作ります。
この技法により、線描きや直塗りでは出ない柔らかな背景を描く事が出来、代々受け継がれた色鍋島とは違った作品が生まれました。
また、色鍋島と言えば青、黄、赤、緑が基本でしたが、十三代今泉今右衛門は今までの常識を破り吹墨の色を黒にした「薄墨」という技法を完成させた事で、白や赤が良く映える美しい作品へと変化しました。
人間国宝 三代徳田八十吉キリンビアマグ
人間国宝 加藤孝造キリンビアマグ
人間国宝 井上萬二キリンビアマグ
景徳鎮 キリンビアマグ
十四代酒井田柿右衛門 キリンビアマグ
池順鐸 キリンビアマグ
島岡達三 キリンビアマグ
マイセン スペシャルエディションキリンビアマグ
三輪栄造 キリンビアマグ など
キリンビアマグコレクションには、様々な陶芸家や洋食器ブランドから作品が出ていて、お品物により評価は異なります。
また、購入された時の箱など一緒にございますと、査定額がプラスしますので箱は処分せずそのまま査定に出してください。
キリンビアマグコレクションのコレクションを整理・処分したいという方がいらっしゃいましたらいわの美術までご相談ください。
また、グラス以外にもウイスキーやブランデー、ワインなどもお買取りしておりますので、飲まなくなったお酒の処分を検討されている方はお気軽にお問い合わせ下さい。