オタールについて
オタールはシャトー・ド・コニャック社が製造しているコニャックで、コニャックとはフランスのコニャック地方で造られているブランデーの事です。
シャラント川沿いの古城・シャトー・ド・コニャックを1796年にバロン・オタール伯爵が買い取った事からその歴史が始まりました。
この古城は、ルネッサンス時代の国王・フランソワ1世が生まれ、フランス革命まで王家が所有していたもので、フランス革命後は国に没収されてしまいました。
そんな中、コニャック市の市長をつとめていたバロン・オタール伯爵は、この地域がコニャックの熟成に最適の条件を備えていたことから、前年に発足させたコニャック業務に使用するためにこの古城を買取ました。
オタールではグランド・シャンパーニュ地区、プティット・シャンパーニュ地区、ボルドリー地区、ファン・ボワ地区の吟味されたユニ・ブランと、フォル・ブランシュ、コロンバールといったブドウの品種を使ってワインが造られ、そのワインを蒸留してコニャックは造られています。
現在はオタールではなくバロン・オタールという銘柄で発売しており、世界中からも人気を集めています。
オタールの種類
オタールには熟成年数によってオタール・VSOP、オタール・ナポレオン、オタール・XO、オタール・エクストラが定番品として造られています。
専門家によれば、オタール・VSOPは5~12年熟成、オタール・ナポレオンは15年以上、オタール・XOは35年以上、オタール・エクストラは50年以上熟成したものだと言われています。
この他にもエスカルゴの形に似せたボトルでぷっくりとしたデザインが特徴のオタール・エスカルゴや、天使の替え栓がついた陶器ボトルのナポレオン・マリアージュ、そして、オタールを製造しているシャトーの持ち主であったフランソワ1世の胸像のボトルであるロイヤルバストの3種類は限定発売された特別なオタールとして中古市場でも高い人気を誇っています。
これらのオタールのコニャックに共通している事は、ワインを蒸留した原酒をリムーザン産の小型のオーク樽で1年熟成させて豊かな木樽の香りを新酒に溶け込ませ、その後、本格的な長期熟成に入り、ブレンドされて商品化されている事です。