アンリ・ジローについてこ
アンリ・ジローは1625年にフランソワ・エマールがシャンパーニュ地方でも、良質なブドウの産地として有名なアイ村に畑を手に入れた事からその歴史が始まりました。
アイ村のピノ・ノワールは評価が高く、17世紀にシャンパン造りが始まった頃、多くのメゾンがアイ村のピノ・ノワール手に入れようと必死でした。
現在、アンリ・ジローのアイ村の畑は全てグラン・クリュの認定を受けており、この地に8haの畑を所有しています。
20世紀のはじめ頃、レオン・ジローがエマール家の娘と結婚したことが現在のアンリ・ジローにとって大きな転機となりました。
レオン・ジローはシャンパン造りに愛情と情熱を持って取り組み、当時、フィロキセラにより壊滅状態となってしまったブドウ畑を独自の研究と努力によって、特定のアメリカの苗木を接木するという方法で復興させます。
もし、この方法が成功していなければ、アンリ・ジローはワイン評論家ロバ—ト・パーカーに「ほとんど人に知られることのないこのドメーヌは、最高のシャンパン・ハウス」と評価される事もなく、現在手にしている名声も得る事はなかったと言われています。
アンリ・ジローのこだわり
アンリ・ジローで栽培されるブドウの種類はピノ・ノワール70%、シャルドネ30%となっており、ブドウ本来のピュアな味わいを生かす伝統的製法を守り続けシャンパン造りを行っています。
ブドウは全て手摘みで、酸化を防ぐために収穫したらすぐに醸造所へ運ばれ、不純物を完全に取り除き、プレス機にかけられます。
家族と従業員あわせて10名ほどが働いている小さなメゾンですので、年間生産量は25万本で、同じ家族経営のテタンジェが年間生産量400万本というのですから、年間生産量を見てもアンリ・ジローがこだわりを持ってシャンパン造りを行っている事が分かります。
また、シャンパーニュ地方では唯一の低温浸透法のシステムを導入しており、雑味成分とブドウジュースを完全に分離させており、そこに複雑なアロマをもたらすためにアルゴンヌの森産の樫の樽でゆっくり発酵していきます。
このように特別な樽を使用する事でグレープフルーツやバニラ、ココナッツといった複雑な香りを持つシャンパンを生み出すのがアンリ・ジローで、少人数経営だからこそ、クオリティを追求したシャンパン造りを行う事ができるのです。