クリュッグの歴史
クリュッグは1843年にドイツ出身のヨーゼフ・クリュッグによって創立されたシャンパンメーカーで、数あるシャンパンの中でも最高級で知られています。
19世紀後半にはフランス国外でその名が知られるようになり、イギリスでは高値で取引されていました。
第二次世界大戦後からクリュッグでは年代の異なるワインをブレンドする醸造法を確立し、年代によって味が変わらない安定した品質を提供し続ける事に成功しました。
そのために、6年~10年にわたる収穫年の異なる50種類以上のワインをブレンドしており、常にたくさんのリザーヴワインが保管されています。
創業から今日まで一族経営を行ってきたクリュッグですが、6代目となるオリヴィエ・クリュッグは日本に造詣が深く、日本の着物をイメージした優雅な形状のクリュッグオリジナルのボトルクーラーの製造を玉川堂7代目・玉川基行に依頼しており、その事からも日本でのクリュッグ人気は高まっています。
1970年にはメニル・シュール・オジェ村にあるクロ・デュ・メニルという単一畑を、1990年代にはアンボネイ村にあるクロ・ダンボネという単一畑を購入し、同名のラインナップを販売しています。
現在、クリュッグはLVMHグループの傘下となっていますが、受け継がれてきた伝統製法でのシャンパン造りは守り続けられています。
クリュッグのロゼ
クリュッグではロゼも高い人気を誇っていますが、クリュッグでロゼが造られるようになったのは1843年に創業したにもかかわらず、その歴史は浅いものとなっています。
クリュッグでは創業当初からロゼを造る事を拒み、一方で愛飲家たちからはロゼを希望する声が高まっていました。
1976年にブドウの出来が非常に良かったため、5代目当主であるアンリとレミのクリュッグ兄弟は内緒でロゼを造り、プレステージ・シャンパン用に保管していたリザーヴワインをブレンドし、熟成させました。
その後、兄弟は父親に熟成させたロゼのブラインドテストを頼み、これを飲んだ父親はクリュッグのシャンパンがコピーされたと勘違いをしてしまいました。
兄弟は動揺する父親に事実を明かすと、父親はこのロゼを気に入り、1983年にクリュッグからロゼが誕生しました。