ブラックボトルについて
ブラックボトルはアイラ島を代表する7つの蒸留所のモルト原酒をブレンドしたスコッチウイスキーです。
7つの原酒のブレンドには、ボウモア、ブルイックラディ、ラガヴーリン、アードベッグ、カリラ、ラフロイグ、ブナハーブンの原酒が使われており、アイラ島の風土がいっぱいに詰まったブレンデットウイスキーです。
ブラックボトルはアイラモルトの特徴であるピート香を感じますが、癖は少なくまろやかな口当たりとかすかな甘みもあるので、飲みやすいウイスキーとも言われています。
ブラックボトルのウイスキーボトルは首の部分が大きく膨れたユニークな形状をしており、これはポットスチルをイメージしていますが、近年リリースされているボトルは薄い形状に変わっています。
ブラックボトルはイギリスのウイスキー評論家として有名なマイケル・ジャクソンも生前高い評価をつけており、また第1回ウイスキー・マガジン主催のベスト・オブ・ザ・ベストでは最優秀ブレンドウイスキーに輝くなど世界でも評判のウイスキーです。
ブラックボトルの逸話
ブラックボトルは紅茶のブレンドを生業としていたグラハム家によって1879年に誕生し、地元アイラ島民からは絶大な支持を受けていました。
長い年月の間に何度かオーナーが変わっていますが、ブラックボトルが日本に輸入され楽しまれるようになったのは1980年代からであり、これには連合国軍占領下の日本で吉田茂の側近として活躍していた白洲次郎が関係しています。
白洲次郎はイギリスへ留学していた時に知り合った、後の第7世ストラフォード伯爵であるロバート・セシル・ビングと親友になり、白洲次郎が日本に帰国後もストラフォード伯爵が蒸留所から買い付けた原酒を樽ごと日本に送るなど交流を続けていました。
ウイスキーを常飲していた白洲次郎は、特に好んで飲んでいたマッカラン、グレンファークラス、そしてブラックボトルを当時日本には輸入されていなかったことから、会社を立ち上げてまでストラフォード伯爵経由でこれらのウイスキーを手に入れていました。
このようにウイスキー愛飲家として知られる白洲次郎は、飲み終わったブラックボトルのウイスキーボトルをカットしてグラス代わりに使っていたというエピソードもあります。