ローズバンクついて
シングルモルトウイスキーの中でも逸品として名高いローズバンクは、スコットランド南の町、ファルカークにあるフォース・クライド運河の岸辺に所在している蒸留所で造られています。
ローズバンクという名は、運河のほとりに美しい野バラが沢山咲いていた事からつけられたようです。
また、蒸留所の名称をキャメロン蒸留所からローズバンク蒸留所へと改めた事でも知られているローズバンクは、決して評価が低い訳ではないローランドモルトが使用されており、仕込み水にはキャロン・バレーの貯水池を水源とした質の良い軟水を使用し、ローランド地方の伝統であり熟成が早いとされている3回蒸留で製造しています。
しかし、このようなこだわりを守り続ける事で伝統的で誉れ高い銘柄として認知されているローズバンクですが、復活の噂もあった蒸留所は現在でも閉鎖されたままとなっており、少し淋しい気もしますが原酒の量に限りがある希少価値の高い銘柄となっています。
ローズバンクの歴史
1773年の創業当初はキャメロン蒸留所を名乗って製造していましたが1840年にワイン・スピリッツ商でもあったジェームズ・ランキンが買取った事でローズバンク蒸留所という名称で新たにスタートさせました。
創業者であるジェームズ・ランキンから息子の代に変わると、他社に劣らぬ商品を造ろうという努力により、一時需要が急増し受注が間に合わなくなるほどにまで栄えました。
しかし後にウイスキーの不況が訪れると、不況を乗り切るために1914年にローズバンク、グレンキンチー、クライスデール、St.マグデラン、グランジの5つの蒸留所が合併し、SMD社(スコティッシュ・モルト・ディスティラーズ)として立て直しを図りました。
しかし1993年、当時の所有者であるUD社により蒸留所が閉鎖されてしまい、現在はUVD社が所有していますが今のところ蒸留所再開の見込みはないようです。
そのため、原酒のストックも当然減少していくばかりか、ストックされている原酒は熟成を重ねるので、値は年々高騰傾向にあります。
ちなみに現在のローズバンク蒸留所は一部、レストラン・パブとして運営されているそうです。