ザ・グレンリベットの歴史
ザ・グレンリベットはジョージ・スミスによって創業したスコッチウィスキーの蒸留所ですが、設立当初は密造ウィスキーの蒸留所として操業していました。
これは当時のスコットランドではお酒に過大な税金がかけられていたため、それを逃れるためにウィスキーの密造が様々な場所で行われていました。
ザ・グレンリベットの蒸留所がある場所はゲール語で「静かな谷」を意味しており、密造を行うには安全な場所でした。
そんな中、スコットランドを公式訪問したキングジョージ4世が密造酒であるザ・グレンリベットのウィスキーを所望し、周りは大きな衝撃を受けました。
ジョージ・スミスはこの事をきっかけに、密造を行っていた蒸留所を公的に認めさせるものとするため、施行された物品税法にしたがってライセンスを取得し、政府公認第1号の蒸留所としてウィスキーの製造販売を行うようになります。
こうしてザ・グレンリベットは世界的にも支持されるようになると、その名声にあやかろうと、「グレンリベット」の名を語った偽物や、ブランドイメージを悪くするような粗悪品が出回るようになり、ジョージ・スミスの息子ジョン・スミスはこの問題を解決するために「グレンリベット」の占有権を申請しました。
長年の法的な論争の末、ジョージ・スミスが生み出したウィスキーだけを「ザ・グレンリベット」と頭に「ザ」を冠する事が許され、後にアメリカの禁酒法解禁にあたり、市場を広げ高い人気を得て、現在に至ります。
ザ・グレンリベットについて
ザ・グレンリベットの原料はスコットランド産の最高品質の二条大麦を用いていますが、その中でもスプリング・バーレーと呼ばれる春に蒔いたものだけを使用しています。
熟成には様々なオーク樽が使用されており、その1/3をシェリー樽、もう1/3をバーボン樽、残りをプレーンカスクという形をとっています。
現在、ザ・グレンリベットには12年、15年フレンチオークリザーブ、18年、ナデューラ、21年、25年などがラインナップされており、これらに共通する特徴は、スコッチウィスキーの特徴でもあるピート(泥炭)を使っておらず、大麦の味わいを大切にしたスコッチウィスキーという事です。