ラヴィル・オー・ブリオンの歴史
ラヴィル・オー・ブリオンはグラーヴ地区ペサック・レオニャンにある畑で、シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンが造る白ワインで、シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンは白ワインのみを造っています。
その歴史は1927年に当時のシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンの所有者フレデリック・ヴォルトナーによって設立された事から始まり、1983年にシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンのライバルであるシャトー・オー・ブリオンを擁するディロン家がこのシャトーを購入した事で品質が高まっていきました。
ディロン家は古い貯蔵倉庫の改装から始まり、新しい発酵所の建設とコンピュータプログラムによって管理するシステムを導入し、瓶詰めラインの設置と潤沢な資金による抜本的な改革を行いました。
こうして、ラヴィル・オー・ブリオンは当初はシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン・ブランとして販売が開始され、1934年からシャトー・ラヴィル・オー・ブリオンとして、2009年からはラ・ミッション・オー・ブリオン・ブランに戻り、良質の白ワインを造り続けています。
そもそも、グラーヴ地区ペサック・レオニャンにはウォルトナー家が所有していた「オー・ブリオン」という名を冠する「ラ・ミッション・オー・ブリオン」「ラ・トゥール・オー・ブリオン」そして、「シャトー・ラヴィル・オー・ブリオン」の3つのシャトーが存在しており、これらは元々一つのシャトーでした。
3つのウォルトナー家のオー・ブリオンは、長い年月をかけて分離・独立していき、1983年に全てのオー・ブリオンと名を冠したシャトーはディロン家が所有する事となり、現在の形に収まっています。
また、「オー・ブリオン」という名もこの一帯の地名で、ミッション修道会がシャトーを所有していた事に由来しています。
ラヴィル・オー・ブリオンについて
ラヴィル・オー・ブリオンの畑はラ・ミッション・オー・ブリオンの畑よりも砂利が少なく、粘度が高い土壌で、栽培面積はわずか3.7haとなっています。
そこで栽培されているブドウの平均樹齢は50年ほどで、ラヴィル・オー・ブリオンの年間生産量は1万200本となっており、その95%は輸出されています。
つまり、ラヴィル・オー・ブリオンはフランス国内での消費よりも、海外での消費の方が高くなっています。
そんなラヴィル・オー・ブリオンの発酵は13~16ヶ月、熟成はオーク新樽で行っており、清澄も濾過もしないブドウ本来の味を十分に引き出した白ワインです。