シャトー・カノンについて
シャトー・カノンはサン・テミリオン第1特別級Bに認定されているワインで、現在の所有者はシャネルのオーナーであるヴェルメテール家という事はとても有名です。
ヴェルメテール家はメドック地区の第2級シャトーであるシャトー・ローゼン・セグラも所有しており、近年ワイン造りに力を入れており、高い品質のワインを生み出しています。
シャトー・カノンはサン・マルタン・ド・マズラ教会の裏、サン・テミリオンのトップシャトーである、シャトー・オーゾンヌやシャトー・ベレール・モナンジュなどが集まっている一画に位置しています。
ジャック・カノンという名称は、1760年にフランス海軍に所属していたジャック・カノンがこの土地を購入した事が大きく関係しています。
ジャック・カノンがこの土地を購入した時、ワインを造るためのブドウが栽培されていたわけではなく、ブドウの栽培に適している事を見抜き、土地を購入する事を決意しました。
土地を購入したジャック・カノンがはじめに行った事は、ブドウの樹以外に植えられていた穀物などを全てブドウの樹に植え替え、住居であるシャトー、樽貯蔵室、醸造所など建設し、ブドウ畑の改善に尽力しました。
しかし、1770年には売却され、新しい所有者が旧所有者となったジャック・カノンに敬意を払い、ドメーヌ・ドゥ・サンマルタンという名称をシャトー・ジャック・カノンへと変更しています。
1919年にはフルニエ家が所有者となり、1996年からはシャネルのオーナーであるヴェルメテール家が所有し、現在に至ります。
シャトー・カノンのこだわり
シャトー・カノンはシャネルのオーナーであるヴェルメテール家が所有者となった事で、ワイン造りに大きな改革がもたらされました。
例えば、ブドウの栽培には多くの有名シャトーが取り入れているリュット・レゾネ(減農薬栽培)を取り入れており、ブドウの収穫は毎年20人ほどの人数で、全て手摘みで行っています。
また、ブドウに対するストレスを軽減させるためにタンクにブドウを運ぶ際、1997年以降からはポンプの使用を止め、エレベーターで木製タンク上部まで運び、タンク上部に空いた穴からブドウを落とす重力方式を採用しています。
さらに22haという大きな畑面積を持ちながらも、2005年には将来を見据えたブドウの樹の大規模な植え替えを行っており、実質的に機能しているブドウ畑は全体の8割程度の17.5haほどなった時期もあります。
収穫量が減るという事はワインの生産量も減るという事で、このような大規模な植え替えが行えるもの、母体であるシャネルという存在があるから成せる技なのです。