シャトー・ディケムについて
シャトー・ディケムはフランスのアキテーヌ地方ジロンド県ソーテルヌ村にあるシャトーです。
ドゥ・リュール・サリュール伯爵家が所有していたシャトーでしたが、1999年にLVMH(ルイ・ヴィトン、モエ、ヘネシー)の傘下に入りました。
ちなみにドゥ・リュール・サリュール伯爵家が所有する以前は、ソバージュ家が200年間所有していたそうです。
シャトー・ディケムはソーテルヌの格付けにおいてもただひとつだけプルミエ・クリュ・シュペリュールにランクされており、畑の面積は100haほどあります。
その畑にはセミヨン80%、ソーヴィニョン・ブラン20%という割合で栽培されており、ブドウの収穫では畑に何度も通い、その房の中から完熟した貴腐果粒だけを手作業で摘むという方法で選別されています。
そのため、6〜8週間かけて150人もの摘み手が最低でも4回の時期に分けて完全に熟したブドウのみを収穫しています。
その後、オークの新樽を使って熟成を行いますが、樽熟成の段階でシャトー・ディケムとして出荷する事がふさわしくないと判断されると生産量を減らし出荷されますが、状況によっては生産されない事もあります。
シャトー・ディケムのワインについて
シャトー・ディケムでは、ブドウに貴腐菌をつけ、ブドウの皮に穴があき、水分が蒸発して果実の糖分やエキス分が凝縮された貴腐ブドウを使った貴腐ワインで有名なシャトーで、ドイツのトロッケン・ベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイ・エッセンシアと合わせて、世界3大貴腐ワインと呼ばれています。
150年近くも最高峰の甘口白ワインとして名声を保ち続けているシャトー・ディケムは、「1本の樹からは、たったグラス1杯のワインしか造らない」と言われるほど生産量が少なく、希少なワインとして認識されています。
中でも良いヴィンテージのものは熟成に20年以上かかるとされ、その間に樽の中で蒸発をしてしまうため、更に希少性が高まります。
しかし、100年以上経ってもその輝きは失われないと言われるほどワインの寿命が長い事も高く評価されています。