シャトー・グラン・ピュイ・デュカスについて
シャトー・グラン・ピュイ・デュカスはポイヤックの格付第5級シャトーで、1970年以降ブドウの植え替え、セラーの大改修、新樽比率の見直しなど徹底的な改革が行われ、近年評価が高まってきているワインで、年間生産量は12~14万本となっています。
畑の1区画はシャトー・ムートン・ロートシルトとシャトー・ラフィット・ロートシルトに隣接している事から、最良の畑の条件を持っている事も分かっています。
その栽培面積は40haで、作付比率はカベルネ・ソーヴィニヨン 60%、メルロ 40%という形で成り立っています。
これらのブドウは全て手摘みで収穫されており、除梗と軽い粉砕を行った後、温度調整機能のついたステンレススチールで発酵し、ブドウは区画ごとに醸造され、厳しい選定を受けた後、最高品質のものがグラン・ピュイ・デュカスの名で世に送り出されています。
シャトー・グラン・ピュイ・デュカスの歴史
15世紀頃のシャトー・グラン・ピュイ・デュカスはギュイロー家が所有者で、17世紀に2人の娘が相続し、その一人がコルミエール家に嫁ぎアルノー・デュカスが所有者となった事で名称の由来でもあるデュカス家が長きに渡り所有者となります。
しばらくするとグラン・ピュイ・ラコストの畑の一部が分割され、その分割された畑をピエール・デュカスが所有者となった事をきっかけに様々な畑を購入しシャトー・グラン・ピュイ・デュカスの畑を広げていきました。
ピエール・デュカスがこの世を去るとその畑の2/3が現在のシャトー・グラン・ピュイ・デュカスの畑となったといわれており、1855年の格付け当時はデュカス・グラン・ピュイ・アルティグ・アルノーと呼ばれていました。
ちなみにアルティグ・アルノーはシャトー・グラン・ピュイ・デュカスのセカンドワインとして現在も使われています。
その後もシャトー・グラン・ピュイ・デュカスは相続問題が起こり、それを解決させるために1932年に会社組織として運営されるようになり、長きに渡るデュカス家の所有が終わりを告げました。