クロ・ド・タールについて
クロ・ド・タールはモレ・サン・ドニ村の南側、シャンボール・ミュジニー村寄りに位置するグラン・クリュ(特級畑)で、そこで造られるブルゴーニュワインです。
ブルゴーニュワインは1つの畑を複数の所有者が分割所有している事が一般的なのですが、クロ・ド・タールは1つの所有者が所有するモノポールという珍しい存在として知られています。
更に、1141年から続く長い歴史の中でも、3つの生産者しか所有した事がなく、一度も畑が分割された事はないという貴重なグラン・クリュです。
クロ・ド・タールとは「タール修道院の畑」という意味を持ち、シトー修道会から派生したベネディクト派のタール修道院が単独所有した事が由来となっています。
1891年にフランス革命によってタール修道院から没収されることになった畑は、マレイ・モンジュ家が所有する事となりました。
そして、1932年からモメサン家が所有する事となり、1999年には新しい醸造設備を導入し、発酵槽、プレス、選果台などを全てステンレス製のものに変え、安定したワイン造りを行えるようになり、評価が高まっていきました。
クロ・ド・タールの畑
クロ・ド・タールの畑は周囲1.2kmを「クロ」と呼ばれる石で造った塀に囲まれているのが特徴です。
土壌は主に粘土を含んだ石灰質で、粘土と石灰の割合やそのタイプ、また、ミクロクリマによって細分化されており、大きく分けて6つのタイプの区画から構成されています。
標高270m~300mのなだらかな斜面に東南東を向いている日当たりの良い条件の畑には、平均樹齢60年のブドウの樹が植えられ、一部は100年を超えるという古いブドウの樹も存在しています。
これまでに台樹を行った事はなく、フィロキセラの被害もないという非常に恵まれた環境にあり、そこにはクロ・ド・タールの所有者であるモメサン家の惜しみない努力が生み出したものなのです。