グリュオ・ラローズについて
グリュオ・ラローズはサン・ジュリアン格付け第2級シャトーが生み出すワインです。
サン・ジュリアンはポイヤックとマルゴーに挟まれた場所に位置しており、両者の中庸的なスタイルと説明されることが多いのですが、サン・ジュリアンの美点を余すところなく表現しているのがグリュオ・ラローズと言われています。
1757年にグリュオ家によってシャトーが創設されましたが、当初はグリュオ・ラローズの名は名乗っていませんでした。
グリュオ・ラローズという名称が使われるようになったのは1781年からで、ワインの取引が行われるようになってからしばらく経ってからの事でした。
19世紀後半には相続問題によって、グリュオー・ラローズ・サルジェとグリュオー・ラローズ・フォールの2つに分割されてしまいましたが、1917年にオーナーになったボルドーの名門コルディエ家により1935年に再び統合されました。
1983年からは金融グループに、1993年には通信機器会社アルカテル・アルストムが所有者となり、当時はワイン産業とまったく関係ない業界が所有者となった事でクオリティが低下すると危惧されていましたが、巨大資本のメリットをいかし、更なる向上を目指して巨額の費用を投じ、シャトー全体で大規模な改修が行われました。
現在の所有者であるメルロ家の手に渡った時は、セラーの増築や醸造設備の新設など必要な設備投資が全て完了していました。
こうしてメルロ家は畑の潜在性をワインに反映させるため、農薬の使用を一切行わないビオロジックの栽培に切り替え現在に至ります。
グリュオ・ラローズの畑
グリュオ・ラローズの畑は82haあり、シャトーを囲むようにして広がっています。
土壌は粘土と石灰の上に厚く堆積した非常に水はけのよい砂利質の層を持っており、粘土の含有量はサン・ジュリアンの他の畑よりも高く、これがグリュオ・ラローズの肉厚な力強さを生み出しています。
ブドウの樹の平均樹齢は約40年で、中には100年近い樹齢の古樹が残っているそうです。
また、畑はロケーション、品種、土壌、樹齢などに従って75もの区画分けられ、区画ごとに生育状況や収穫時期が細かく管理され、収穫時の選果は区画ごとに畑とセラーで合計2回行っています。
このように優れたブドウのみがグリュオ・ラローズの名を冠したワインとしてリリースされる事が許され、世に出回っているのです。