アンリ・ジャイエについて
アンリ・ジャイエは「伝説の醸造家」「ブルゴーニュの神様」「神の手を持つ男」など様々な異名を持つ醸造家が開いたドメーヌで、ドメーヌとは自らのブドウ畑を所有し、栽培、醸造、瓶詰を一貫して行うワイン生産者の事を言います。
ブルゴーニュではこのドメーヌが重要で、一つの畑を複数の生産者が保有するスタイルをとっており、同じ名称のワインでも生産者によって味の変化がある事で知られています。
かつてブルゴーニュのワインは品質やブルゴーニュらしさを追求するよりも、大量生産に重点を置いており、ブルゴーニュのワインは今ほどの高い評価を受けるワインはありませんでした。
アンリ・ジャイエはブルゴーニュの良さを最大限に引き出すために、ブドウ畑での作業をとても大切にし、徹底して収穫量を制限し、収穫したブドウは選果台を使って一房ずつ選び、低温浸漬や発酵には自然酵母を使用するなど手間暇かかるワイン造りを行い、ブルゴーニュのワインに革命をもたらしました。
こうして、アンリ・ジャイエが手掛けたワインは、ワイン愛好家たちの間でも噂を呼び、時にはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティを凌ぐ価格で取引されるほど人気を博しました。
その中でもリシュブール、ヴォーヌ・ロマネ クロ・パラントゥ、エシェゾー、ヴォーヌ・ロマネ レ・ブリュレ、ヴォーヌ・ロマネはアンリ・ジャイエが手掛けたワインの中でも高値で取引されています。
そんなアンリ・ジャイエですが、ワイン生産者の三男として生まれていますが、正式な醸造学を習得する機会がなく、全て経験から学んだそうです。
アンリ・ジャイエの取り組み
アンリ・ジャイエは2006年にこの世を去っていますが、これまでに素晴らしいブルゴーニュのワインを造るかたわら、若手醸造家の育成にも力を注いでいました。
アンリ・ジャイエの弟子として有名なのは、メオ・カミュゼとエマニエル・ルジェで、この他にもアンリ・ジャイエ自身が「ブルゴーニュ最高の造り手」と大絶賛したシャルロパン・パリゾや、「ブルゴーニュの土地の味を引き出す芸術家」と呼ばれたジャン・マリー・フーリエなどがおり、ワイン造りの第一線で活躍しています。