トカイ・エッセンシアについて
トカイ・エッセンシアはハンガリーの北東に位置するトカイ・ベジアリャ地方で生産されている貴腐ワインです。
貴腐ワインとはブドウに菌を付着させて貴腐化させたブドウを用いてワインを造るため、極甘口ワインとして知られており、トカイ・エッセンシアはフランスのボルドーにあるソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼとともに世界三大貴腐ワインと呼ばれています。
そんなトカイ・エッセンシアですが、貴腐ワインの中でも世界で唯一、貴腐ブドウ100%で造られているワインで、主にボトリティス・シネレア菌の影響で貴腐化したフルミント、ハールシュレヴェリュー、シャールガムシュコターイというブドウが用いられています。
圧搾機にかけず自然の重みで搾り出された果汁を自然発酵させるという手間も時間もかかる方法をとっており、2本造るのに1haの区画分を必要としているとても貴重な貴腐ワインです。
トカイ・エッセンシアのアルコール度数は5%未満と低く、残糖度が非常に高いため、グラスで飲むのではなく、専用の匙などで一口だけ飲むのが良いとされています。
トカイ・エッセンシアの種類
トカイ・エッセンシアとは一つの銘柄名ではなく、シャトー・パジョス、ボデガス・オレムス、セプシ・イシュトバーンなどの複数の生産者が製造を行っています。
同じ貴腐ワインですが、生産者によってその特徴が反映されており、微妙な違いがあります。
トカイ・エッセンシアの逸話
トカイ・エッセンシアは18世紀初頭、トカイ地方がハプスブルグ帝国領であった頃、トランシルヴァニア公が贈ったトカイ・エッセンシアを太陽王・ルイ14世が絶賛したという話が残されています。
また、昔のハンガリーでは薬として飲まれていたという記録が残されており、最近の研究の結果としてトカイワインの医薬的な効果の研究が世界各国で行われ、日本でも有名なゲームの回復薬のモデルになりました。