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アイリッシュウイスキー~新ミドルトン蒸留所

2016.8.23

アイリッシュウイスキー~新ミドルトン蒸留所


新ミドルトン蒸留所は、ブッシュミルズ蒸留所とは反対側のアイルランド南部にある巨大な蒸留所です。

1825年にマーフィー三兄弟によって操業された旧ミドルトン蒸留所の背後に1975年に建設されました。


新ミドルトン蒸溜所は、アイルランドの蒸留所が集まったIDG(Irish Distillers Group アイリッシュ・ディスティラーズ・グループ)の中心的な蒸留所で、世界最大のポットスチル(単式蒸留器) を持っています。新ミドルトン蒸留所では、アイリッシュウイスキー伝統の「ピュアポットスチルウイスキー 」を造っており、スチルからは単一の銘柄を造るだけではなく、様々な銘柄のウイスキーを造り出しています。


また、新ミドルトン蒸留所では、閉鎖された蒸留所の銘柄も数多く造られています。例えば、1980年祖業の老舗・ジェムソンもIDGに集約されて、現在ジェムソンのウイスキーはミドルトン蒸留所でつくられており、その他タラモア・デュー、レッドブレスト、レマリックなどがこの蒸留所で生まれています。



ミドルトン蒸留所の主な銘柄


ミドルトン・ヴェリー・レア

数量限定生産のスーパープレミアムウイスキーで、1984年から、毎年熟成のピークに達した50樽を選びだし、1万~1万2千本をミドルトン・ヴェリー・レアのブランドで発売しています。

ミドルトン・ヴェリー・レアのラベルには、蒸溜年や熟成年数が表示されておらず、ボトリングされた年の年号だけしか記載されていません。

その品質保証として、蒸留所のマスター・ディスティラーのバリー・クロケット(名匠バリー・クロケットは31年間マスター・ディスティラーを務め、2013年3月に引退しています)の署名と製造番号が刻印されています。

熟成されたプレミア品らしく、コクがあり、繊細でまろやかな風味ですが、味わいはヴィンテージごとに若干異なるため、通の間では飲み比べのためコレクションされています。


ジェムソン/ジェムソン1780 12年

1780年創業の老舗ジェムソンでしたが、アイリッシュウイスキーの減退などを経て、現在はIDGの主要蒸留所である新ミドルトン蒸留所に集約され、同蒸留所で産出されています。

ジェムソンは1974年グレーンウイスキーをブレンドして、評判を得、以来アイリッシュウイスキーのけん引役を務めていました。シェリー樽に由来する甘い香りとぬくもりある味わいが特徴とされています。


ジェムソン1780 12年はジェムソンの創業年を掲げた世界市場用の自身作です。単式蒸溜器で蒸溜した原酒を75%使用し、シェリーの空樽で熟成、アイリッシュウイスキーのベストセラーとして君臨しています。


タラモア・デュー

タラモアの蒸溜所は、1892根に操業され、人気を博しましたが、第二次世界大戦後のアイリッシュウイスキーの不況などで1954年に閉鎖されてしまい、現在は、新ミドルトン蒸留所でブランド名を残して造られています。

タラモア・デュー(Tullamore Dew)のTullamoreはアイルランド中部オッファリー州の州都で、Dewは露を意味しています。創業者のマイケル・モーリーが製造していた頃は単に地名をとって「タラモア」という名称だったそうですが、モーリーを継いだウィリアム・E・ダニエルの時代に、自らの頭文字「D.E.W.」をあわせて、タラモア・デューと命名されました。

アイリッシュウイスキーの中でジェムソンに次ぎ第2位の出荷量を誇る人気の銘柄です。アルコール度数は40℃ですが、他の40度のウイスキーと比べ、同じ度数とは思えないほどやわらかな飲み口です。

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