ワイン豆知識~水平・垂直テイスティング
ワインを通に飲みたいなら・・・水平テイスティング・垂直テイスティング(Vertical and horizontal tasting)という楽しみ方があります。
水平テイスティング(ホリゾンタルテイスティング):ワインが造られた年代は同じもので、場所や生産者、醸造法などの違いを、比較テイスティング(試飲)して楽しみます。横飲みともいいます。
垂直テイスティング(ヴァーティカルテイスティング):同じ生産者のワインで、ヴィンテージの違うワイン(収穫年代の違うワイン)を比較試飲することをいいます。縦飲みともいわれます。
水平テイスティングの場合、例えば、2010年ヴィンテージのフランス・ボルドーワインが出そろった時期に、5大シャトーのシャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・マルゴー、シャトー・ラトゥール、シャトー・オー・ブリオン、シャトー・ムートン・ロートシルトの2010年ものを揃えて、比較試飲して楽しむといった、通な楽しみ方です。
比較の要素の生産者にして、同じヴィンテージを比べるので、その年の生産者毎の個性が明らかになります。
同じ生産者のワインで、違う年度のワインを縦に飲み比べる垂直テイスティングでは、例えば、1960年代後半から1970年代後半までオーナーが変わったシャトー・マルゴーを、ヴィンテージを変えてテイスティングするといったものです。シャトー・マルゴーの○○年ものは素晴らしい出来だが、××年ものはそれほどでもないというように比較して、楽しむことができます。
垂直テイスティングのワインをそろえるのは大変ですが、ワイン通によれば、同じ銘柄の年度による違い、熟成の進行度を比べて楽しめるといいます。
垂直テイスティングでの注意点は、ヴィンテージによって出来が違うということ以外に、テイスティングする時期によって熟成期間が異なるため、味や香りも若干異なるということです。
ワインは熟成期間というものを重んじますが、テイスティングする時期によって、熟成期間が異なるため、同じワインでも別モノになっている場合があります。
例えば、2017年に垂直テイスティングする場合、シャトー・マルゴー2000は収穫年から17年経っており、シャトー・マルゴー1985は32年経っています。2015年にシャトー・マルゴーの同じヴィンテージを垂直テイスティングした場合とでは、熟成期間が若干異なるため別モノの味になっていることがあります。つまり、同じ銘柄の同じヴィンテージのワインでも、今日飲むのと1年後、3年後に飲むのとでは熟成期間や熟成度合が異なるため、少しずつ味わいや香りが変わるといわれています。
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