フランスワインの豆知識~ボルドー・メドック
ボルドーは、フランス南西部ボルドー地方を中心とした一帯で産出されるワインですが、その中でも、超高級赤ワインの産地がひしめき合っているのが、ボルドー市から北に向かって伸びる半島に位置するメドック地区です。
ラテン語で「水の中心」を意味するIn medio aquaeという言葉が地名の語源となっているメドックは、いわゆる五大シャトーのうち、ラフィット、マルゴー、ラトゥール、ムートンの四つシャトーが君臨するボルドー左岸の地区です。
メドック地区は、ジロンド川の下流域に広がる地で、大きくは二つの地域に分けられます。
中部から上流地域をオー・メドック、下流地域をパ・メドックといいます。オーは”高い”を意味し、最上級ワインを生産しているのが、オー・メドックです。
南部の比較的高い土地に位置しているので、この名がつきました。川を見下ろす太陽の恵みあふれたオー・メドックでは最良のブドウが栽培され、最良のワインが造られ続けています。
メドックのブドウの品種
赤ワイン…カベルネ・ソーヴィニョン+カベルネ・フラン、メルロ、マルベック、プティ・ヴェルド
※白ワインはメドック地区で造られたワインであっても、メドックの表示ができないことになっています。メドックでつくられる白ワインの生産量はごくわずかですが、ラベル表示には、より広域なボルドーと記されて売られます。
メドック地区のワイン
メドックのワインはラベルに記された村名でワインの特徴がわかります。
メドック地区には約五十の村(コミューン)がありますが、そのうち六つの村で造られる最高級のAOCワインは、産地名として村名を表示することができます。これらのワインは、単にメドックやオー・メドックとラベルに表示されたものより、個性的なワインです。
メドック…北部低地のパ・メドック産の赤ワイン。
オー・メドック…南部のやや高地で造られる赤ワイン。以下の六つの村で造られたワインは、ラベルに「Haut-Medoc」ではなく、村名を表示することが認められています。
サン・テステフ Saint-Estephe
オー・メドックの最北端にあり、砂利が少ない粘土質の多い土壌であり、どっしりとしたワインが作られていますが、近年はメルロを多用することによって、味がしなやかになってきているといわれています。
ポイヤック Pauillac
カベルネ・ソーヴィニョンに最も適した、砂利の多い土壌で、力強い芳醇なワインが造られています。シャトー・ムートン・ロートシルトなど第一級格付けのシャトーが三つあります。
サン・ジュリアン Saint-Julien
ポイヤックとマルゴーにはさまれた、ごく狭い地域で、カベルネ・ソーヴィニョンに適した砂利の多い土壌です。味もポイヤックとマルゴーの中間的な、バランスのよいワインが造られています。
リストラック Listrac
小石混じりで、カベルネ・ソーヴィニョンに適した土壌です。サン・ジュリアンに似た丸みのある繊細なワインが造られています。やや熟成が早いといわれており、格付けワインはありません。
ムーリス Moulis
サン・ジュリアンとマルゴーの間にある地域で、石灰を含んだ砂礫土壌で、風味豊かでやわらかな味のワインが造られています。格付けワインはありません。
マルゴー Margaux
オー・メドックの南端に位置し、砂利層が深く水はけが非常によい良質な土壌です。広大な作付け面積があり、繊細でエレガントなワインが造られています。格付けシャトーの数は、六つの村の中で最も多く有しています。
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