ワインの価値を上げる要素は様々あります。まずあげられるのが「ワインの出来のよさ」です。ヴィンテージ、オフヴィンテージがあるように、天候によるブドウの出来のよさや、醸造法の違いなどの「ワインの出来のよさ」によってワインの価格に差が生じます。
さらに、「ワイン生産者の知名度」もワインの価値を高める要素の一つです。シャトー・ラフィット・ロートシルトなどいわゆる五大シャトーと呼ばれる超有名シャトーが造るワインは、その知名度から手に入れようするワイン愛好家が多いため、ワインの値段が吊り上がる要素の一つになりえます。
ほかには、コンクールで賞を得たワインや、ワインを評価するワイン鑑定家の評論もワインの価値を高める要素のひとつです。
有名なワイン評論家が高評価をつけてくれれば、そのワインは一晩にして、価値が急騰し、値段が上がるということが起こりえます。
世界中で造られているワインの種類は、膨大な数で、素人では把握しきれず、どこのどのワインを選べばよいのか、レストランや酒屋でさえも、仕入れの選別に悩んでしまいます。
そこで活躍するのが、ワインのプロ中のプロ、ワインの鑑定家、評論家、ワイン・ジャーナリストなどと呼ばれるワインの指南役たちです。
彼らは様々なワインを試飲しては、その鋭い舌で味わいや出来具合を細かくチェックし、雑誌や本などで紹介していきます。
多くの人はそうしたワインのプロたちの評価を参考に、ワイン選びをしたり、知識を蓄積していきます。
ワインの市場には流行もあり、熱狂的なワインコレクターも世界中に存在します。そのため、一流の鑑定家となれば、その一言がワイン業界に大きな影響を与えることも少なくありません。
著名なワインの評論家が雑誌などでその味を絶賛した途端、それまで一本数千円だったものが、数十万円にも跳ね上がるということも、実際おこりえます。
ワインの評価では、ワインごとに微妙に違う味をかぎ分けていくので、一流のプロであれば、ラベルを見ずとも、自分の感覚で産地や銘柄、ヴィンテージなどをあてることができるといいます。
これをブラインド・テイスティングいいますが、これは下記のような一定の手順に従って、消去法でワインの素性をあぶりだしています。
1. 品種の識別…ワインのプロは、一口飲めば品種がすぐに識別できるといいます。品種を識別することによって、原作国までも推定します。
2. 産地の判断…カベルネならボルドーのメドック、メルロならポムロールといったように、フランス赤ワインであれば、ブドウ品種によって産地もわかります。
3. 銘柄の推測…銘柄の推測がプロの腕の見せ所です。銘柄を推定するのは難しく、ボルドーなら、品種のブレンド比、ブルゴーニュならブーケを分析し、自分の記憶をたどって推測します。
4. ヴィンテージの推定…赤ワインは熟成期間によって色が変わるなど、ワインの色の具合やブドウの出来の良し悪しを考えあわせながら、何年もののワインかを探っていきます。
ワインの評論家としては、ヒュー・ジョンソン、マイケル・ブロードベントなどが有名ですが、世界で最も影響力があるといわれるワイン鑑定家・評論家といえば、ロバート・M・パーカー Jr.です。
ロバート・M・パーカー Jr.のワインの評価は、ワイン業界で絶大な信頼を得ており、その著作は、世界中の人々に読まれ、参考にされています。
ロバート・M・パーカー Jr.の名著として名高いものが「ボルドー」です。この「ボルドー」は、フランス・ボルドーワインのテイスティングの評価をシャトーごとにまとめたもので、ボルドーのことならなんでもわかってしまう大著として、ワイン愛好家の間の座右の銘となっています。
また、ロバート・M・パーカー Jr.は、自ら創刊した「ワインアドヴォケイト」誌にてワイン評価を100点満点で示す評価法パーカーポイント(Parker Point)が有名です。
このワインのパーカーポイントという評価法は、ワインの価格に関係なく、公平なワインの選択には不可欠のものとして世界中で用いられています。
パーカーポイントの1点の点数の差は非常に大きな意味を持っており、少なくとも本当に良いワインとされるのは85点以上のものといわれます。
パーカーポイントで85点以上を得たワインの割合は世界中のワインの中でほんの1%にしか過ぎず、非常に貴重なワインということができます。 さらにパーカーポイント100点満点を獲得したものはより数が絞られます。
貴重なパーカーポイント100点を得たワインの例としては、ル・ドーム 2010 サンテミリオン、ドラ・フレール 2010 エルミタージュ・レ・ベサールなどがあります。
<保存状態> レアなヴィンテージのワインなどは高く売れる可能性がありますが、希少価値の高いワインといえども、保存状態の良し悪しは買取査定時に大きく影響します。
ワインの保存は日の当たらない冷暗所で寝かせて保存しておくのがベストです。
また、コルク栓が乾燥ないように、ボトルを立てて置かず、寝かせて保存しておきましょう。コルクの劣化がひどいと、買取査定額にも大きく影響してしまいます。
そして、ラベルの状態も重要な査定のチェックポイントです。年代もののヴィンテージワインなどはラベルがはがれていたり、汚れてしまっているものもありますが、あまり汚れがひどい場合は買取価格に影響されるので注意してください。
また、ボルドーワインにおいては、ワインの減少量「目減り」も査定時のポイントです。あまりにもワインの目減りがひどい場合は買取できない場合もあります。ワインを少しでも高く買い取ってもらうには、売るまでの保管方法にも注意しましょう。
<付属品の有無> 希少価値の高いレア感のあるワインほど、高く売れる可能性がありますが、さらに高く買い取ってもらうには、ワインの購入時に付属していた箱やワイングラスなどの付属品を、査定時に忘れずに一緒に出しましょう。付属品をあわせて査定にだすことで、買取査定時にプラスに働きます。
査定時には、ワインの銘柄や生産者、ヴィンテージは細かく調べられ、上記のようなチェックポイントや市場需要なども併せて、査定価格を算定いたします。
また、売るタイミングも買取査定額に影響します。ワインには熟成期間があり、ワインを熟知している方であれば、ワインが熟成されおいしくなったときに売れば、さらに高く買い取ってもらえますが、ワインに詳しくない場合は、売ろうと思ったときになるべく早いタイミングで買い取ってもらうとよいでしょう。
さらに、ワインの需要が高まるクリスマスシーズン前など、季節やイベントなどをしっかり把握しておくことで、少しでも高く買い取ってもらえるタイミングの判断材料の一つになります。