ウイスキーの種類
ウイスキーは、古代ゲール語のUisge Beatha(ウシュク ベーハ)、またはUsquebaugh(ウスケボー)という「生命の水」を意味する言葉が語源だといわれています。
日本語ではウィスキーまたはウヰスキー、ウ井スキーとも表記されますが、酒税法上での正式名称はウイスキーとなっています。
ウイスキーの起源
ウイスキーの起源は、中世にまでさかのぼり、錬金術で使われていた蒸溜技術からお酒がうまれました。紀元前800年頃にアジアで発見された蒸留技術は、エジプトに渡り、ヨーロッパに伝えられたといわれています。
当時の蒸溜技術は海水から水と塩分を分離するために用いられていましたが、これが後に酒造りに応用されるようになりました。そして、この技術がアイルランドに伝わり、現在のウイスキーの原型となりました。
ウイスキーが今日のような琥珀色となったのは、18世紀のことだといわれていますが、これには偶然ともいえる歴史があります。
18世紀初頭に政府の政策により、ウイスキーに対する課税が高くなったことによって、製造業者は密造せざるを得ない状況となり、蒸留所を山奥にひっそりと構え、徴税官に見つからぬように、不要となったシェリーの空樽に隠して保存しました。
暫くして樽をあけてみると、それまで透明だったウイスキーの液体の色は琥珀色となり、味わいはまろやかに変化していたのです。この必然のような偶然の出来事により、ウイスキーの樽貯蔵が始まったのです。
ウイスキーの種類
お酒には、醸造酒、蒸留酒、混成酒の3種類があり、ウイスキー(英: Whisky, Whiskey)は、このうち、蒸留酒に属します。
蒸留酒には、ウイスキーのほかに、ジンやウォッカ、ブランデーなどがあります。醸造酒には、日本酒やワイン、ビールなどがありますが、こういった醸造酒と、ウイスキーとの違いは、「蒸留」と「樽熟成」といった工程がある点です。
原料についても、日本酒は米、ワインは葡萄としていますが、ウイスキーは大麦、トウモロコシなどの穀類が原料で、ウイスキーは、原料の穀類を糖化、発酵させた後、蒸留を行います。
蒸留という工程で、香味成分が凝縮され、アルコール分は68~70度まで濃縮されます。そして、最終段階で水が加えられ、アルコール分が40~60度となります。
ウイスキーの特徴のひとつとしてあげられるのが、美しい「琥珀色」です。ウイスキー原酒は、加水された後、樽に入れて熟成されますが、この熟成時の環境によって、芳醇な黄金色の美しい液体へと生まれ変わります。
ウイスキーの種類は、原料と蒸留方法の違いにより、麦芽だけを原料にしたモルト・ウイスキーと、トウモロコシなどの穀物を原料にしたグレーン・ウイスキーの2つに分けられます。更に細かくは下記の通り分類されます。
【モルト】大麦麦芽(モルト)のみを原料とするウイスキーで、蒸留には主に単式蒸留器を用います。
・シングル・モルト…単一の蒸留所で蒸留し、ほかの蒸留所で蒸留された原酒をまぜていないモルト・ウイスキー。蒸留所名がブランド名として使用されることが多い。
・ヴァッテッド・モルト…複数の蒸留所で蒸留されたモルト原酒をヴァッティング(混合)したモルト・ウイスキー。
【グレーン】大麦麦芽(モルト)だけでなく、主にコーン、ライ麦など、ほかの穀物を原料とし、蒸留は連続式蒸留器で行う。
・シングル・グレーン…単一の蒸留所で蒸留し、ほかの蒸留所で蒸留された原酒を混ぜていないグレーン・ウイスキー。主に蒸留所名がブランド名として使用される。
・ヴァッテッド・グレーン…複数の蒸留所で蒸留されたグレーン原酒をヴァッティング(混合)したグレーン・ウイスキー。ただし、商品表記としては、ヴァッテッド・グレーンという言葉は使われない。
モルトとグレーンの両者をブレンドすることも多く、多数のモルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキー2~3種を混ぜ合わせたものが、ブレンデット・ウイスキーとよばれます。
ブレンデット・ウイスキーは、ブレンダーの感性と創造力を活かし、絶妙な技術で、味や香りを追求してブレンドされたウイスキーで、個性豊かな多くのフレーバー(風味)が生み出されています。