ウイスキー5大産地～アメリカ

2016.4.27

ウイスキー5大産地～アメリカ

ウイスキーの5大生産地であるスコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本のうち、今回はアメリカンウイスキーについて説明します。

アメリカンウイスキーの始まり

アメリカ新大陸に蒸留器を持ち込んだのは、イングランド人といわれますが、ウイスキー造りは、17世紀に東海岸に植民したスコッチ・アイリッシュと呼ばれるスコットランド人やアイルランド人によって、ウイスキーの蒸留が始められたとされています。

アメリカ合衆国のウイスキー、アメリカンウイスキーといえば、コーンを主原料としたバーボンが主流です。

バーボンの語源は、フランスのブルボン王朝のフランス語“Bourbon”の英語読み“バーボン”に由来します。アメリカの独立戦争の際のブルボン王朝の功績を称え､ケンタッキー州の地名のひとつにバーボンが採用されました。それが、ケンタッキー州で生産されるウイスキーの名前となり、いつしか定着していきました。

バーボンの生産は、テネシー州以外では、主にケンタッキー州の特定の北部地区で行われています。また、バーボンのうち、生産地の名を冠しているのは、ケンタッキー･バーボンだけであり、ケンタッキー以外で生産されるバーボンには許されていません。

主原料がコーンであるバーボンは、内側を焦がすチャーと呼ばれる作業を施した新樽で熟成させるのが特徴です。

バーボンの生みの親といわれる人物は2人おり、1人はエリジャ･クレイグ、もう1人はエバン･ウイリアムズです。

エバン･ウイリアムズは、アメリカでは大麦より手に入りやすい穀物のコーンに目をつけ、ライムストーンウォーターと呼ばれる石灰岩で濾過された良質の水を使って、バーボンウイスキーの原形となる酒を造った人物とされています。

エリジャ･クレイグは牧師ですが、「バーボンの父」として知られる人物です。

エリジャ･クレイグは事業家でもありましたが、副業でジョージタウンに蒸溜所を建設し、ウイスキーの製造も手掛けますが、彼は熟成用の樽をうっかり焦がしてしまい、その樽を放置してしまい、数年後に開けてみると、赤みがかった芳醇な液体になったと伝えられており、これがバーボンの原型になったといわれています。

アメリカンウイスキーの特徴

アメリカでは、独立後に政府がウイスキーに対して重い税金を課す事が決定され、蒸留業者の多くは税金から逃れるため、内陸のケンタッキー州やテネシー州に移動しました。これにより、ケンタッキーとテネシーがアメリカのウイスキー産地を代表する２大産地として発展していきますが、現在、バーボン発祥の地であるケンタッキー州には９つの蒸溜所があります。

バーボンなどのアメリカンウイスキーは、連続式蒸溜機とタブラーと呼ばれる特殊な蒸溜機を組み合わせ、特別な製法で造られます。バーボンは通常、２回蒸溜が行われ、1回目に抽出されるスピリッツを「ローワイン」といい、これを再度蒸溜して、アルコール度数75度前後の「ハイワイン」が造られます。これに加水し、樽に詰めて熟成させるという方法がとられています。