今回いわの美術がお買取り致しましたのは、卓越した技術者に贈られる「現代の名工」をガラス工芸分野で初めて受賞した黒木国昭のぐい呑みです。
赤いグラスに黒木国昭が得意とする金彩象嵌が施された芸術的な作品で、共箱はなかったもののお品物の状態がとても良かった事から高評価にてお買取り致しました。
黒木国昭は、1945年に宮城県須木村に生まれ地元の高校を卒業後ガラス職人になる為山谷硝子に入社し技術を学びます。
山谷硝子でガラス工芸の技術や知識を学んだ黒木国昭は、その経験を生かし29歳の頃から本格的に制作活動を開始し、その3年後には国家資格であるガラス製品製造技能士の一級を取得しました。
その後、自ら作った作品を伝統工芸展や現代の日本ガラス作家展など様々な展覧会に出品を重ね、39歳で独立を果たします。
独立後は、自身の作品が評価され薩摩切子の復元に加わったり、国際ガラス会議に参加・出品するなど活躍を見せ、またフィラデルフィア美術館に作品が収蔵されたりと海外でも黒木国昭の作品は評価されるようになりました。
44歳ではグラスアート宮崎綾工房を設立しそこで独自に研究を続け、色グラスを重ねた内側から研磨して色を出す「内彫り」やガラス層に蒔絵を挿し込む「積層板ガラス」などの技術を生み出した事で現在の美しい作品が生まれました。
46歳で卓越した技術者に贈られる「現代の名工」をガラス工芸分野で初めて受賞した黒木国昭は、現在も素晴らしい作品を作りながら個展を開くなど精力的に活動しています。
黒木国昭の作品
こちらの画像にあるお品物を見て頂くと分かりますが、とても煌びやかで美しくまるで宝石のような美しさを放っている作品となっています。
この美しい作品を製作するのがガラス工芸家の黒木国昭です。
黒木国昭は、色彩の積層や象嵌、金箔などを用いた芸術的なお品物を多数制作していますが、その中でも人気の高い作品は金箔やプラチナ箔を使った煌びやかな琳派シリーズと言われるお品物で、琳派シリーズには全て光琳というと名前が付いています。
この光琳という名前を聞くと江戸中期を代表する画家の尾形光琳を思い浮かべると思いますが、まさしくその通りで、琳派シリーズの光琳は尾形光琳から取って付けられています。
この琳派シリーズが生まれたキッカケは、黒木国昭が尾形光琳の製作した紅白梅図屏風に感銘を受けた事が始まりで、その後作風を研究する為に尾形光琳に関する書物を読み尽くしました。
それからは尾形光琳の豪華絢爛で繊細な作風を模範するようになり、月日をかけて完成したのが琳派シリーズとなります。
まるで宝石のような輝きを放つ琳派シリーズは、日本のみならず海外からも高い評価を得ており、デンマークグラスミュージアムには永久収蔵されている作品もあるそうです。
琳派シリーズ以外にも、葛飾北斎や歌川広重の作品に影響を受けて製作した日本の歴史ロマンシリーズやアール・ヌーヴォーに影響を受けた新世紀ロマンシリーズなど数多くの作品がございます。
黒木国昭の作品買取
独自の世界観を持ち、国内のみならず海外からも評価されている黒木国昭は、宮内庁天皇陛下・皇太子殿下・紀宮さま・秋篠宮殿下に作品を献上されたり、日本各地や台湾、ドバイ、ヴェネチアなどで個展を開くなど現在も幅広く活躍しております。
黒木国昭の作品では、今回お買取りしたぐい呑みやグラス、一輪挿しなどの小さな物から、花瓶、ランプ、屏風、行燈など大きなお品物もお買取りしております。
買取の際には、共箱、栞、木札などの付属品が揃っておりますと高評価でのお買取りとなる可能性がございますので、売却をご希望の方は付属品の確認をお願い致します。
お問い合わせは、メール、LINE、電話でお受けしておりますが、お品物の写真など頂けますとお電話よりも正確なお値段をお出しする事が出来ますのでオススメです。
黒木国昭の作品以外でも薩摩切子職人の中根総子や、ガラス工芸家の藤田喬平、由水常雄などの作品もお買取りしております。
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