商品詳細
今回いわの美術がお買取りさせていただいたのはラガヴーリン・ディスティラーズ・エディションです。
ラガヴーリンは、ウイスキーの生産で非常に有名な島と言われているアイラ島の南岸にあるラガヴーリン村の蒸留所で作られたウイスキーです。
ラガヴーリン村の由来はゲール語でLaggan Mhouillin(谷間の水車小屋)からきたもので、小さな谷間の水車小屋を囲む村落という意味になっています。
その名の通り村には現在でも2つの水車小屋が村を囲むように建っていて、また、ラガヴーリン湾を見守るようにそびえたつダニヴェイグ砦という歴史的な遺跡もございます。
その場所は何世紀も前にスコットランド西岸沿いの海を支配して、よそ者が所有地に入る事を決して許さなかったザ・ロード・オブ・ジ・アイルズ(島々の王)の拠点でした。
1742年から蒸留が行われていましたラガヴーリン村ですが、その当時違法な蒸留所が数多く建てられていました。
その後1816年に地元の農業経営者で蒸留職人でもあったジョン・ジョンストンにより、ザ・ロード・オブ・ジ・アイルズ(島々の王)が拠点としていた、ダニヴェイグ城が見える場所にラガヴーリン村では一番最初に合法な蒸留所を設立します。
その1年後にはアーチボルド・キャンベルが2つ目の合法な蒸留所を設立し、この蒸留所で作られたシングルモルトはアードモアという名前で市場に出回ります。
ジョン・ジョンストンはイギリス・スコットランドの大都市とされるグラスゴーを拠点にしていた、アイラモルト商人のアレクサンダー・グラハムに責務を負っていました。
ジョン・ジョンストンの死後、アレクサンダー・グラハムはラガヴーリン村を高額で買収、2つの合法蒸留所を統合しラガヴーリン蒸留所が創設されました。
その後アレクサンダー・グラハムの跡を継いだジェームズ・ローガン・マッキーにより、事業は成功。ますますラガヴーリンの名が知られる事になります。
またジェームズ・ローガン・マッキーの孫にあたるピーター・マッキーが後を継ぐことによって、ラガヴーリンを発展させていきました。
ピーター・マッキーは「休み知らずのピーター」とアダ名がつけられている程、常に新しい開発や研究に没頭する日々で、のちにブレンデッドスコッチ、ホワイトホースの創始者として、またモルトミル蒸留所を創設させて事でも有名です。
ラガヴーリンの蒸留に使われる大麦は近隣のポート・エレンで製麦、発酵には時間をかけて、力強い香味を付けるために熟成には55時間から75時間という長い時間をかける事により、ラガヴーリン独特の味わいが生まれます。
ラガヴーリンは16年かけてゆっくり熟成され作られますが、その後シェリー樽によって2度の熟成が行われ、このような特別な技法で作られたウイスキーをディスティラーズ・エディションと言い、モルトのシリーズになります。
このような2度熟成されているのはダブルマチュアードとも呼ばれていて、タリスカーやグレンキンチーなど多数ある中で、ラガヴーリンはペドロヒメネスというぶどうを蒸留した後の樽を使っています。
情熱的なピートとバニラ、レーズンの甘い香りが感じられ、後を追うようにヨードのエッジが効いたしゃきっとした香りにローストしたモルト。誘惑的な香りが漂います。
味わいは一瞬強い塩味を感じますが、甘くフルーティーな味わいの後にコーヒーとバニラが口いっぱいに広がります。