お酒の基礎知識~カナディアンウイスキー
カナディアンウイスキーの分類
ウイスキーベースのカクテルによく使われるカナディアンウイスキーの特徴は、なんといってもくせのない軽やかさです。カナディアンウイスキーは、ライトな飲み口で、他の飲み物とあわせやすいため、カクテルベースによく使われます。
カナダでウイスキーがつくられるようになったのは、アメリカの独立戦争後、独立に反対していた人達がカナダに移住してからだといわれています。 本格的に蒸留所ができるよういなったのは、18世紀後半~19世紀にかけてで、トロントやオタワなどに次々と蒸留所が建設され、アメリカの禁酒法を背景として、急速に発展していいました。
カナディアンウイスキーは、原料がライ麦主体のフレーバリングウイスキーと、トウモロコシ主体のベースウイスキーをブレンドして造られます。原料のライ麦の比率が51%以上あれば、カナディアン・ライ・ウイスキーと表示することができます。
フレーバリングウイスキー+ベースウイスキー → カナディアンウイスキー
フレーバリングウイスキー
原料:ライ麦・トウモロコシ・大麦麦芽など。
製造法:連続式蒸留機で蒸溜した後に、単式蒸溜器で蒸溜し、3年以上熟成させたもの。
味わい:強い芳香があり、アルコール度も高い。ブレンドに使われる。
ベースウイスキー
原料:トウモロコシ、大麦麦芽など。
製造法:連続式蒸留機で蒸溜し、3年以上熟成させたもの。
味わい:あまりくせや香りがない。ブレンドに使われる。
カナディアンウイスキー
製造法:フレーバリングウイスキーとベースウイスキーをブレンドする。
味わい:くせが少なく、ストレートでも飲みやすい。軽やかな風味。
カナディアン・ライ・ウイスキー
原料:原料の51%以上がライ麦。
味わい:カナディアンウイスキーよりもすっきりした素朴な風味。
カナディアンウイスキー~カナディアン・クラブ
C.C.の名で愛されるカナディアン・クラブは、華やかな香りが漂う軽快な風味と、やわらかな口当たりで、ウイスキーの苦手な人にも抵抗なく受け入れられるお酒です。
カナディアン・クラブの蒸留所は、1856年にオンタリオ州ウォーカーヴィルで生まれました。現在のカナディアンウイスキーの製造法の基礎をつくりあげたのが、カナディアン・クラブの生みの親ハイラム・ウォーカーです。彼のつくったウイスキーは、紳士だけが集まるジェントルマンクラブで人気となり、最初は単に「クラブ・ウイスキー」と呼ばれていました。
やがて、アメリカにも進出して人気が出始めたため、アメリカ産とカナダ産の区別をつける法律がアメリカで制定された1890年に「カナディアン・クラブ」というブランド名となりました。 19世紀末には、イギリス王室御用達の認定を受け、名実ともに世界の名ブランドのひとつに成長しました。
カナディアンウイスキー~クラウン・ローヤル
クラウン・ローヤルは、カナダを基礎として、世界のウイスキー業界に君臨する大企業シーグラム社の代表ブランドです。どっしりとしたボトルも王冠をかたどっており、ラベルにも王冠が描かれています。
クラウン・ローヤルは、1939年、イギリス国王ジョージ6世夫妻がカナダを訪問したとき、当時のオーナーであったサム・ブロンフマンが自らブレンドしたウイスキーを献上したことに始まります。
その後、賓客をもてなす際のウイスキーとして少量生産されていましたが、あまりに人気が高いため、プレミアムとして販売するようになりました。
スタンダード版のクラウン・ローヤル自体が高級品ですが、さらに厳選した特選品のクラウン・ローヤル・スペシャルエディションもより上品で複雑な香りを醸し出す逸品です。
カナディアンウイスキー~シーグラム・VO
ライ麦とトウモロコシを主体に蒸溜した原酒を6年以上熟成させたもので、口当たりよく、さらりとしたのどごしの、飲みやすいウイスキーです。20世紀初頭につくられた銘柄で、ラベルには大きくVOの金色の文字がプリントされています。
カナディアン・ライ・ウイスキー~アルバータ・プレミアム
カナダ産の・ライ・ウイスキーといえばアルバータ・プレミアムです。素朴な、軽い味わいで、5年熟成品です。10年の長期熟成アルバータ・スプリングス10年はよりマイルドな味わいとなっています。
カナディアン・ライ・ウイスキー~マック・アダムス
アンドリュー・マック・アダムス蒸留所産の原酒をブレンド、アメリカで瓶詰めした普及品ウイスキーです。おだやかで、豊かな香りで、軽い飲み口のやや辛口な風味のライ・ウイスキーです。
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